[I-CSY3-4] JCICにおける2026年診療報酬改定に向けた取り組み
Keywords:インターベンション, 診療報酬改定, 保険診療
小児、先天性心疾患のインターベンションに関わる診療報酬改定の要望は、これまで小児循環器学会から内科系学会社会保険連合(内保連)を経由して厚生労働省に提出をしてきた。厳しい状況が続く中、2024年の診療報酬改定では、K573心房中隔欠損作成術における経皮的心房中隔欠損作成術に従来のラシュキンド法に加え、スタティック法が新設された。本来、Kコードを有するカテーテル治療に関連する要望は、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)を経由して提出されることが通例であったが、本法の承認は例外的に内保連を経由した要望が承認された。外保連では、要望は実態調査に基づいて外保連試案に掲載され、最終的にその中から取りまとめて厚労省に提出されるが、スタティック法に関する要望はこのプロセスを踏んでおらず、追加の実態調査が求められる。今回の件をうけて、小児、先天性心疾患のインターベンションの主学会たるJCICは外保連に加盟した。本領域における診療報酬に関わる課題として、保険未収載の手技の存在や、複数手技の同時算定(複50算定)が挙げられる。保険未収載の手技には、動脈管や体静脈、肺静脈の経皮的血管形成、冠動脈瘻閉鎖術などがあり、血管形成に関してはK616-3経皮的胸部血管拡張術が適応されるが、「(先天性心疾患術後に限る。)」という制約があり、未手術症例では算定がされないという問題点がある。複数手技の同時施行はJCIC-Registryによると例年300セッション以上で行われ、複数の標的に対するバルーン拡大、血管形成術と塞栓術の同時施行、ステント留置後の後拡大などが含まれるが、現時点で複50算定の特例が認められるのはK570-3経皮的肺動脈形成術とK615血管塞栓術の組み合わせに限られる。JCICでは、2026年の診療報酬改定に向けて、これらの手技に関して外保連試案への掲載に向けた課題を整理する予定である。