[I-CSY3-5] 小児循環器領域における診療報酬・DPC :経営上の盲点と制度上の改善点
キーワード:診断群分類コード, 出来高, 先天性心疾患
DPC制度は,急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日当たりの包括支払い制度で,従来の出来高払い方式から診療の標準化,透明化,質の向上を目的として,2003年に開始された.2年に1回の診療報酬改定と同時に,DPCに関しても収集データをもとに定額点数の改定が行われている. DPC対象病院での診療報酬は,包括評価部分と出来高評価部分で構成される.包括評価については,診断分類点数表に定められた分類区分に応じた入院期間別点数に医療機関別係数,在院日数を乗じて算出される.なお,入院期間Ⅲを越える日以降はすべて出来高での算定となる.出来高評価部分には,特定入院料(小児入院医療管理料や特定集中治療室管理料など),手術,麻酔,リハビリテーションなどが含まれる. 先天性心疾患の診断分類コードは,動脈管開存症と心房中隔欠損症が含まれる14029xとこの二つ以外の先天性心疾患が含まれる14031xの2種類しかなく,手術(外科およびカテーテル,輸血),カテーテル検査,パリビズマブ投与の有無により分類され,点数が定められている. 今回は,小児循環器領域での実際の診断分類コードによる診療報酬の違いや今後の改善が望まれる部分について述べる.