[I-OR02-01] 機能的単心室の房室弁逆流に対する弁置換適応について
キーワード:弁置換, 房室弁逆流, 機能的単心室
【背景】機能的単心室では房室弁逆流が心房圧や肺動脈圧上昇とoutput低下を来すため、弁逆流へ積極的介入が求められる。小児での房室弁逆流への外科介入は形成術が第一選択だが、機能的単心室でsevereな弁逆流の場合、経過中に循環不全に陥る症例も少数ながら存在する。当施設の経験から早期に弁置換を考慮すべき症例を検討する。
【方法】2017年1月~2024年1月に機能的単心室で弁形成、弁置換を行った症例を診療録から後方視的に検討した。
【結果】対象は47例で弁形成44例、弁置換3例であった。介入弁は共通房室弁14例、三尖弁33例であった。共通房室弁形成の術式はEdge-to-edge法、2弁口化、交連形成、弁輪縫縮、三尖弁は弁輪縫縮、交連形成、Edge-to-edge法、人工腱索であった。弁形成時期はBCPS前姑息術時(NW 6例、PAB 4例、BTS 1例)、BCPS時18例、TCPC時7例、BCPS前(単独)3例、BCPS後(単独)4例、TCPC導管交換時1例、弁置換はbil PAB後、BCPS後(単独)、TCPC時であった。弁形成例では術前の心エコーでsevere 4例、moderate 15例、mild 25例、弁置換例はsevere 2例、moderate 1例であった。死亡例は5例(弁形成+弁置換後1例、弁置換後1例、弁形成後3例)で、そのうち弁逆流が直接的な原因と考えられた症例は3例であった。3例はいずれも術前に循環不全を来しECMO下で手術介入になった。そのうち2例は乳児期早期からカテコラミンサポートを要した。
【考察】弁形成時、経胸壁心エコーの他、経食道3Dエコー、術中の経心膜エコーを行い、弁逆流部位の同定と術式決定している。1回の弁形成で制御できることは少なく、初回姑息術、BCPS、TCPCの主な3回の手術時に弁形成を同時に行うことで、弁逆流の制御を狙っている。一方、severeな弁逆流の症例では、outputが少なく、感冒や静脈鎮静などを契機に循環不全に陥りやすい。早期にカテコラミンサポートを要するsevereな弁逆流の症例では、積極的に弁置換を検討すべきと考える。
【方法】2017年1月~2024年1月に機能的単心室で弁形成、弁置換を行った症例を診療録から後方視的に検討した。
【結果】対象は47例で弁形成44例、弁置換3例であった。介入弁は共通房室弁14例、三尖弁33例であった。共通房室弁形成の術式はEdge-to-edge法、2弁口化、交連形成、弁輪縫縮、三尖弁は弁輪縫縮、交連形成、Edge-to-edge法、人工腱索であった。弁形成時期はBCPS前姑息術時(NW 6例、PAB 4例、BTS 1例)、BCPS時18例、TCPC時7例、BCPS前(単独)3例、BCPS後(単独)4例、TCPC導管交換時1例、弁置換はbil PAB後、BCPS後(単独)、TCPC時であった。弁形成例では術前の心エコーでsevere 4例、moderate 15例、mild 25例、弁置換例はsevere 2例、moderate 1例であった。死亡例は5例(弁形成+弁置換後1例、弁置換後1例、弁形成後3例)で、そのうち弁逆流が直接的な原因と考えられた症例は3例であった。3例はいずれも術前に循環不全を来しECMO下で手術介入になった。そのうち2例は乳児期早期からカテコラミンサポートを要した。
【考察】弁形成時、経胸壁心エコーの他、経食道3Dエコー、術中の経心膜エコーを行い、弁逆流部位の同定と術式決定している。1回の弁形成で制御できることは少なく、初回姑息術、BCPS、TCPCの主な3回の手術時に弁形成を同時に行うことで、弁逆流の制御を狙っている。一方、severeな弁逆流の症例では、outputが少なく、感冒や静脈鎮静などを契機に循環不全に陥りやすい。早期にカテコラミンサポートを要するsevereな弁逆流の症例では、積極的に弁置換を検討すべきと考える。