[I-OR03-06] Examination of predictive factors for postnatal treatment in fetal simple aortic coarctation
Keywords:単純型大動脈縮窄症, 胎児心エコー, 治療予測因子
【背景】単純型大動脈縮窄症(simple CoA)は出生後に大動脈峡部が自然拡大して治療を要さないものから外科的介入を要するものまで様々である。【目的】simple CoAの胎児心エコー所見から出生後の外科的介入が予測できるか検討すること。【対象・方法】2023年までの6年間にレベル2胎児心エコー精査を施行した358例中、simple CoAと胎児診断した10例。出生後に13trisomyと診断して治療を差し控えた1例を除外して、出生後に大動脈峡部が自然拡大して治療介入を要さなかった7例:Ni群、外科的介入を要した2例:Op群。初回診断は妊娠19~37週(中央値32週)で、診断時の大動脈峡部径/動脈管径(isthmus/DA) 0.28~0.73(中央値0.38)。左室横径/右室横径(LV/RV)、僧帽弁輪径/三尖弁輪径(MV/TV)、上行大動脈径/主肺動脈径(aAo/mPA)、大動脈峡部径/動脈管径(isthmus/DA)などをA:27~33週とB:34~37週で測定し、Ni群とOp群間で比較検討を行った。【結果】(Ni, Op)として、LV/RV:A(0.53±0.07, 0.48±0.05) B(0.60±0.07, 0.42±0.01)MV/TV:A(0.59±0.06, 0.45±0.04) B(0.65±0.03, 0.38±0.02)、aAo/mPA:A(0.69±0.05, 0.52±0.08) B(0.70±0.03, 0.53±0.12)、isthmus/DA:A(0.36±0.06, 0.24±0.08) B(0.33±0.05, 0.25±0.09)。いずれの項目もA-B間で有意差はなかった。両群間では、BのLV/RV・MV/TV、A・BのaAo/mPAで有意差を認めたが(P<0.05)、isthmus/DAでは有意差を認めなかった。Op群の2例ともにBでのLV/RV・MV/TV<0.45であったが、Ni群は全例で0.5<であった。Op群の両心室の心尖は揃っており、2例とも術後に二心室循環が成立した。【考察】胎児simple CoAにおいて、妊娠34週以降のLV/RV・MV/TV<0.45が出生後の外科的介入の予測因子となる可能性がある。限られた症例数であり、今後の症例の集積が必要である。一方で、isthmus/DAは両群間で有意差はなく、治療介入の予測は困難であった。