[I-OR07-05] Dealing with cyanosis progression in the remote stage in patients undergoing Fontan-type surgery
Keywords:フォンタン術後, VVC, カテーテルインターベンション
【背景】フォンタン型手術後遠隔期にフォロー中にチアノーゼが進行することが多く経験するようになってきた。静脈側副路 (VVC) や肺動静脈瘻 (PAVF)、開窓 (FF) に起因する場合、経皮的閉鎖術により改善が期待できる一方、常に中心静脈圧 (CVP) 上昇との相反の議論がある。【目的及び方法】当院のフォンタン型手術後遠隔期患者のチアノーゼの原因病変に対するカテーテル治療の実施状況と結果について後方視的に検討した。【対象】2002年8月から2024年2月の間にVVC・PAVF・FFに対して閉鎖術を行った15歳以上のフォンタン術後患者34人。【結果】患者の治療時年齢の中央値は18.5歳(15.2-33.9歳)で総治療回数は41回であった。病変の内訳はVVCが39、PAVFが2、FFが1であった。これらの病変は概ねコイル、プラグ、閉鎖栓を用いられた。VVCのうち、5例は通常の心カテ時ではなく後日MRIもしくは骨盤内の造影で巨大なものが指摘され、無名静脈からの1例はカバードステントを用いて治療された。閉鎖術時のVVC最大径は平均8.0±4.3mmであった。また、VVC閉鎖術前後で心カテを行なったのは10人11病変であり、 CVPの平均は治療前13.3±3.7 mmHg、治療後10.7±2.1 mmHg(P=0.04)、SaO2の平均は治療前89.3±5.3%、治療後92.6±2.5% (P=0.06)であった。CVP上昇を認めたのは2例で1-2mmHg の上昇であった。SaO2は4例で低下を認め、うち3例で追加VVC閉鎖術を施行した。また、VVC閉鎖前後で心血管MRIを施行した3人のCIの平均は治療前2.0±0.2 L/min/m2, 治療後2.0±0.1 L/min/m2であった。【考察】フォンタン循環の静脈系短絡は時に巨大なものがみられ、それらに起因するチアノーゼは閉鎖術によりCVPを上昇させることなく改善を促せる可能性が高い。