[I-OR08-06] Survey of atrial septal defect treatment in our hospital without catheterization
Keywords:心房中隔欠損症, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術, ASD
【背景】本邦での心房中隔欠損症(ASD)に対するカテーテル治療は、現在では年間1300例程の実績があり、外科手術と並ぶ治療法となった。熊本県には小児カテーテル治療施設がなく、隣県に依頼する必要がある。外科手術も安全に行える昨今、低体重でのカテーテル治療はデバイスサイズと周囲組織への干渉等の問題を伴う為、最適な治療法と介入時期に迷うことがある。【目的】カテーテル治療未認定施設である当院での2次孔型ASD治療と術後経過を検討し、今後の治療法選択の一助とする。【方法】2013年ー2023年に当院で治療方針を決定したASD患者を対象に、カテーテル治療群(C群)と外科手術群(S群)に分類し、診断契機・時期、外科手術選択理由、治療時期、合併症に関して診療録を用いて後方視的に検討する。【結果】全102例(うちS群68例:67%)。診断契機は両群とも「心雑音」が最多だった(56%ー60%)。診断年齢(中央値)はC群4.8歳 VS S群7ヶ月、治療年齢(中央値)はC群7.1歳 VS S群3.8歳といずれもS群で有意に早かった。外科手術選択理由は「経胸壁心エコーでのASDサイズと下縁(後下縁)欠損」が25例(37%)で最多で「家族の希望」が19例(28%)と2番目に多かった(カテーテル治療施設受診例7例含む)。合併症はC群でminor leakage4例・頭痛5例・一過性完全房室ブロック1例に対して、S群ではminor leakage1例・心のう液貯留10例(うち1例心タンポナーデで緊急手術)・創部肥厚性瘢痕3例など認めた。【結語】当院でのカテーテル治療の選択割合は低値で外科手術を希望する症例も多かった。医療者側の適切な治療法選択と、家族への説明方法による影響はあると推察するが、県外で治療する負担や、低体重且つ心負荷がある中での待機の必要性など患者家族の不安が垣間見える結果だった。