[I-OR09-01] カテコラミン誘発多形性心室頻拍に対する非薬物治療の経験
キーワード:CPVT, ICD/S-ICD, LSCD
【背景】カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)の治療は、ガイドラインでは適切な薬物治療または左星状神経節切除術(LSCD)を行っているにもかかわらず心肺停止、失神、多形性心室頻拍(VT) もしくは二方向性 VT を認める症例の二次予防に植込み型除細動器(ICD)治療がクラスIとされる。しかし本邦ではLSCDはCPVTに保険適応外であり、非薬物治療として着用型自動除細動器(WCD)の装着やICDまたは皮下ICD(S-ICD)が実施されるほか、アブレーション(ABL)が有効との報告もある。
【方法】失神既往のあるCPVT6例(男5,女1)の治療経過について後方視的に検討した。
【結果】年齢14~25歳。診断時年齢:7~15歳。観察期間:1年6月~12年9月(平均8年6月)。家族歴2。全例失神歴があり、運動負荷検査またはエピネフリン負荷にてVTの所見を得、遺伝子検査にてRyR2変異を認めた。全例でβ遮断薬とフレカイニドを中心とする薬物治療を実施。非薬物治療は導入期間中にWCD装着1名。66.7%(4/6)で上記2剤の薬剤治療にも拘わらずVFを発症した。1名は失神を繰り返し7歳時target VPCにABL実施後にICDを植込み、経過中に適切作動あり。1名は16歳時安静時VFにてS-ICD植込みを行った。CPVTのICD作動についてはショック作動から不整脈を惹起する頻回作動や不適切作動が懸念されているが、プログラムの工夫により適切に除細動が得られている。1名は21歳時海外留学中に怠薬し運動中VFを発症しby stander CPRで救命され、1名は20歳時深夜自宅トイレにて死亡している状態で発見された。
【結語】CPVTは運動時や緊張時にVT/VFを発症するため運動制限と薬物治療が中心であるが、青年期に薬の怠薬や、安静時のVF症例を認めた。薬物治療のみではCPVTの不整脈死亡は避けられない。青年期の患者および家族に疾患の再認識を促し、ICDやLSCDなどの非薬物治療が2次予防として必要であり、併用した治療の確立が今後の課題と思われた。
【方法】失神既往のあるCPVT6例(男5,女1)の治療経過について後方視的に検討した。
【結果】年齢14~25歳。診断時年齢:7~15歳。観察期間:1年6月~12年9月(平均8年6月)。家族歴2。全例失神歴があり、運動負荷検査またはエピネフリン負荷にてVTの所見を得、遺伝子検査にてRyR2変異を認めた。全例でβ遮断薬とフレカイニドを中心とする薬物治療を実施。非薬物治療は導入期間中にWCD装着1名。66.7%(4/6)で上記2剤の薬剤治療にも拘わらずVFを発症した。1名は失神を繰り返し7歳時target VPCにABL実施後にICDを植込み、経過中に適切作動あり。1名は16歳時安静時VFにてS-ICD植込みを行った。CPVTのICD作動についてはショック作動から不整脈を惹起する頻回作動や不適切作動が懸念されているが、プログラムの工夫により適切に除細動が得られている。1名は21歳時海外留学中に怠薬し運動中VFを発症しby stander CPRで救命され、1名は20歳時深夜自宅トイレにて死亡している状態で発見された。
【結語】CPVTは運動時や緊張時にVT/VFを発症するため運動制限と薬物治療が中心であるが、青年期に薬の怠薬や、安静時のVF症例を認めた。薬物治療のみではCPVTの不整脈死亡は避けられない。青年期の患者および家族に疾患の再認識を促し、ICDやLSCDなどの非薬物治療が2次予防として必要であり、併用した治療の確立が今後の課題と思われた。