[I-OR09-02] Circadian changes in corrected QT interval in children with long QT syndrome and healthy volunteers
Keywords:QT延長症候群, ホルター心電図, 日内変動
【背景】ホルター心電図の自動解析では頻脈時、基線の動揺部分では誤ったQTc値を提示するため信頼性に欠ける。マニュアル測定によるQT延長症候群(LQTS)のタイプ別QTc値の日内変動については十分わかっていない。【方法】LQTSスコアが3.5点以上のLQTS type 1 (LQT1), LQT2, 次世代シークエンサーで変異が判明しなかった例(no pathogenic variants, NPV)のそれぞれ20名を対象にした。ホルター心電図は外来受診時には必ず記録し、その中で最も長いQTc値を示した記録日のものを用いた。健常児はボランティアとして参加した時のものを用いた。ホルター心電図記録のうち、睡眠中、起床時、活動時(午前、午後、夜)の5時間帯(各時間帯は便宜的に2:00-4:00, 6:00-8:00, 10:00-12:00, 14:00-16:00, 20:00-22:00とした)から最小心拍時、最大心拍時、平均心拍時の3心電図(計15心電図)を抽出した。各心電図から3心拍のQT/RR間隔を接線法でマニュアル測定し、Fridericia法で補正した3心拍の平均値を用いた。各時間帯で最長のQTc値を解析に用いた。【成績】測定時年齢はLQT1 16.2±6.4、LQT2 16.9±6.9、NPV例 15.9±3.7、健常児15.5±1.9歳であり、群間で有意差を認めなかった。LQTS患児、健常児ともに睡眠中が最も長く、それぞれ500±39、559±30、521±38、443±20 msであった。LQT2群の睡眠中QTc値はNPV群とは有意差を認めず(P=0.14)、LQT1群、健常群と有意差を認めた(各々P=0.002, P<0.001)。QTcF値は起床時、午前/午後の活動時に短縮し、夜には若干延長した。各群の日内変動での最大値、最小値の差をみるとLQT1群 17ms (vs午後、P=0.48)、LQT2群 69ms(vs午前, P<0.001)、NPV群 36ms (vs午後, P=0.007)、健常児 34ms (vs午後, P<0.001)であった。【結論】LQT2群、NPV群の睡眠中QTc値は午前、午後覚醒時のQTc値と著明な差を認め、ホルター心電図の睡眠中QTc値での経過観察が必要と考えられる。