The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

電気生理学・不整脈

Oral Session (I-OR09)

Thu. Jul 11, 2024 10:10 AM - 11:10 AM ROOM 7 (4F 404-406)

座長:泉 岳(北海道大学小児科)
座長:立野 滋(千葉市立海浜病院 小児科)

[I-OR09-02] Circadian changes in corrected QT interval in children with long QT syndrome and healthy volunteers

吉永 正夫1,2, 二宮 由美子1, 田中 裕治1, 加藤 浩一3, 大野 聖子4, 高橋 秀人5, 緒方 裕光6, 長嶋 正實7 (1.鹿児島医療センター 小児科, 2.医療福祉センターオレンジ学園, 3.滋賀医科大学 循環器内科, 4.国立循環器病研究センター メディカルゲノムセンター, 5.帝京平成大学 大学院 環境情報学研究科, 6.女子栄養大学・女子栄養大学大学院 疫学・生物統計学研究室, 7.愛知済生会リハビリテーション病院)

Keywords:QT延長症候群, ホルター心電図, 日内変動

【背景】ホルター心電図の自動解析では頻脈時、基線の動揺部分では誤ったQTc値を提示するため信頼性に欠ける。マニュアル測定によるQT延長症候群(LQTS)のタイプ別QTc値の日内変動については十分わかっていない。【方法】LQTSスコアが3.5点以上のLQTS type 1 (LQT1), LQT2, 次世代シークエンサーで変異が判明しなかった例(no pathogenic variants, NPV)のそれぞれ20名を対象にした。ホルター心電図は外来受診時には必ず記録し、その中で最も長いQTc値を示した記録日のものを用いた。健常児はボランティアとして参加した時のものを用いた。ホルター心電図記録のうち、睡眠中、起床時、活動時(午前、午後、夜)の5時間帯(各時間帯は便宜的に2:00-4:00, 6:00-8:00, 10:00-12:00, 14:00-16:00, 20:00-22:00とした)から最小心拍時、最大心拍時、平均心拍時の3心電図(計15心電図)を抽出した。各心電図から3心拍のQT/RR間隔を接線法でマニュアル測定し、Fridericia法で補正した3心拍の平均値を用いた。各時間帯で最長のQTc値を解析に用いた。【成績】測定時年齢はLQT1 16.2±6.4、LQT2 16.9±6.9、NPV例 15.9±3.7、健常児15.5±1.9歳であり、群間で有意差を認めなかった。LQTS患児、健常児ともに睡眠中が最も長く、それぞれ500±39、559±30、521±38、443±20 msであった。LQT2群の睡眠中QTc値はNPV群とは有意差を認めず(P=0.14)、LQT1群、健常群と有意差を認めた(各々P=0.002, P<0.001)。QTcF値は起床時、午前/午後の活動時に短縮し、夜には若干延長した。各群の日内変動での最大値、最小値の差をみるとLQT1群 17ms (vs午後、P=0.48)、LQT2群 69ms(vs午前, P<0.001)、NPV群 36ms (vs午後, P=0.007)、健常児 34ms (vs午後, P<0.001)であった。【結論】LQT2群、NPV群の睡眠中QTc値は午前、午後覚醒時のQTc値と著明な差を認め、ホルター心電図の睡眠中QTc値での経過観察が必要と考えられる。