[I-OR09-03] corrected QT interval in 4th grade
Keywords:心拍補正QT間隔, 小児期, 思春期
【目的】心拍補正QT間隔(以下QTc)は、QT延長症候群の診断に最重要な心電図指標である。学校心臓検診は小4でも施行されているが、小4でのQTcの検討はほとんどない。今回小4のQTcの検討し、小1、中1の結果とも比較したので報告する。【方法】対象は2019から2021年に南魚沼市立小学校で小4であった1484名(男754名 女729名) 。うち小4の学校心臓検診で心電図が良好に記録され、脚ブロックや心室内伝導障害、期外収縮などの不整脈なく、心疾患の既往のない1452名(男 737名, 女 715名)を解析対象とした。さらに2019年度の428名(男 225名, 女 203名)は中1時も、2021年度の458名(男 224名, 女 234名)は小1時も、心電図を評価した。QT間隔(QT)は、V5またはII, I誘導の連続3誘導を用手接線法で計測した。3心拍分の平均の心拍数 (HR)(bpm)、QT(ms)、Bazett補正QT間隔(QTcB)、Fridericia補正QT間隔(QTcF)を求めた。【結果】小4の計測値の平均値±SD(男, 女)は、HR (76±12, 78±12)、 QT (353±25, 352±26)、 QTcB(396±23, 400±24)、 QTcF(381±20, 383±21)で、男が女に比し、HRは有意に低く、QTに有意差なく、QTcBは有意に短く、QTcFは短い傾向があった。1パーセンタイルと99パーセンタイル値(男, 女)はHR (54 110, 56 111 ) QT (298 410, 292 413) 、QTcB(345 449, 347 458) 、QTcF(337 433, 333 435)であった。 小1との比較では、男女ともHRは有意に低く、QT、QTcB、QTcFは有意に延長した。中1との比較では、HRは男で有意に高く、女では有意差なかった。QTは男女とも有意差なく、男ではQTcB、QTcFともに有意に延長し、女性ではQTcB、QTcFともに短い傾向があった。【結論】小4でのQTcBは男が女より短かったが、QTcFの男女差はわずかであった。小児期、思春期において、男ではQTcB、QTcFともに小4が頂値となり、女では、小4以降に頂値があるかもしれない。