[I-OR09-06] Study of recurrence after cryoablation treatment for common AVNRT
Keywords:common AVNRT, cryoablation, recurrence
【背景、目的】通常型房室結節リエントリー性頻拍(common AVNRT)の冷凍アブレーションは再発率が問題となる。今回当院でcommon AVNRTに対して冷凍アブレーションを施行した症例の治療経過を検討し、治療終了時点での所見と再発率について検討した。【方法】2016年4月から2023年12月までにcommon AVNRTと診断され、冷凍アブレーションを施行した57例のうち、2回以上のセッション、先天性心疾患合併、高周波アブレーションを併用、common AVNRT以外の不整脈合併患者を除外した、47例を対象とした。患者背景、治療、冷却による治療効果、治療後の電気生理検査の結果、合併症、再発について診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】患者背景は男女比21/26、年齢12歳(中央値)、体重 42.8kg(中央値)で、手術時間183.2分(平均)、透視時間13.0分(平均)、被曝線量77.3mGy(平均)であった。総冷却時間は22.5分(平均)で総冷凍回数は9.0回(平均)だった。1echoまで残存で終了した症例は47例中45例(成功率95.7%)。治療後の観察期間は平均15.7か月。4例(8.5%)が再発した。3例が1か月以内に再発し、2回以上の追加アブレーションを要した。以下の3群にわけて再発の頻度を比較した。遅伝導路が離断して再伝導しなかった20例(A群)、遅伝導路が一過性に離断し再伝導した21例(B群)、遅伝導路が一度も離断しなかった6例(C群)。2echo以上残存した症例はB群に1例、C群に1例認めた。A群20例は全例再発がなかった。B群は、21例中3例(14%)が再発、C群は6例中1例(16%)が再発していた。 今回の検討で1度以上の房室ブロックが残存した症例はみられなかった。【結論】common AVNRTに対する冷凍アブレーションは、遅伝導路離断後再伝導しなければ、再発のリスクは低い。再発率は全体では8%だが、遅伝導路が再伝導した状態で終了した場合の再発率は14%、遅伝導路が一度も離断せずに終了した症例では16%であった。