The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Oral Session

弁疾患

Oral Session (I-OR11)

Thu. Jul 11, 2024 2:20 PM - 3:20 PM ROOM 7 (4F 404-406)

座長:若松 大樹(福島県立医科大学附属病院 心臓血管外科)
座長:村山 弘臣(あいち小児保健医療総合センター心臓血管外科)

[I-OR11-01] Indication of Surgery for Mitral Regurgitation with Ventricular Septal Defect: Prediction by Preoperative Echocardiography

白水 優光1, 倉岡 彩子1, 山村 健一郎3, 鈴木 彩代1, 連 翔太1, 村岡 衛3, 佐藤 正規1, 田尾 克生1, 中野 俊秀2, 石川 友一1, 佐川 浩一1 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.福岡市立こども病院 心臓血管外科, 3.福岡市立こども病院 循環器集中治療科)

Keywords:僧帽弁逆流, 心室中隔欠損症, 心臓超音波検査

【背景】構造異常を有しない機能的僧帽弁逆流(MR)を合併する心室中隔欠損症(VSD)において、僧帽弁形成術の要否を決める明確な基準はない。【目的】術後MRの残存に関連する術前心エコー指標を明らかにする。【方法】対象は2014年1月から2023年12月に中等度以上の機能的MRを合併した1歳未満のVSD症例で、VSD閉鎖時に僧帽弁への外科介入を行った18例(男性:女性=8:10)。術後6ヶ月以上の遠隔期に中等度以上のMRが残存した群をMR群、MRが軽度以下であった症例をnon MR群とした。術前心エコーにおける左室拡張末期径、僧帽弁輪径(Z score)、僧帽弁閉鎖時点での弁尖接合部長、弁輪から接合点までの距離、前尖・後尖それぞれの弁輪からの角度を比較した。また、心臓カテーテル検査結果を比較した。【結果】MR群5例(28%)、non MR群13例(72%)であった。全例、術後にMRは軽減した。MR群、non MR群の順に中央値は手術時年齢3.5か月(1.9-3.7)、2.7ヶ月(3.5-4.3)、手術時体重5.1kg(4.8-6.4)、4.9kg(4.6-6.4)で、いずれも有意差はなかった。肺体血流比、肺動脈圧、左房圧、左室拡張末期圧等のカテーテル検査結果に有意差はなかった。エコー所見では弁輪と後尖との角度67°(63-72)、49°(42-55)とMR群で有意に大きく(p=0.005)、接合部長2.3mm(2.0-2.5)、2.8mm(2.7-3.2)はMR群の方が短縮していた(p=0.008)。術後MR残存に対するカットオフ値は弁輪と後尖の角度63°(感度91%、特異度86%、曲線下面積0.906)、接合部長2.5mm(感度77%、特異度86%、曲線下面積0.899)であった。【考察】MR合併VSDの術前エコーにおいて、僧帽弁後尖の牽引に伴う接合部長の短縮が潜在的な形態異常として術後MR残存に関連する。僧帽弁形成術の要否判断において参考所見になり得る。