[I-OR12-01] ファロー四徴類縁疾患患者における大動脈血流形態の評価
キーワード:Aortopathy, 螺旋流, 4D flow MRI
【背景】ファロー四徴類縁疾患(ファロー四徴、両大血管右室起始)の術後遠隔期はAortopathyが問題になるが、一方でAortopathyは早期から起きているとも言われている。仮に小児期からAortopathyが発生しているのであれば、大動脈の血流形態に変化が起きていることが予想される。【目的】Aortopathyによる血流変化およびその要因について検討すること【方法】2022年1月から2023年12月に当院で心臓MRI検査を施行したファロー四徴類縁疾患の患者 18名(0-36歳、中央値2.5)を対象にした。4D flow MRIおよび心臓カテーテル検査から、大動脈血流と血管コンプライアンスを評価した。大動脈に発生している螺旋流の有無を基準に、3群に分類した(なし:6名、あり(1+、拡張期のみ螺旋流が発生):6名、あり(2+、収縮期から螺旋流が発生):6名)。【結果・考察】螺旋流の状態は年齢、エネルギー損失や運動エネルギーのピーク値で有意差は認めなかった。一方で、左室流出路-大動脈角度は螺旋流あり(2+)群がなし群に比較して有意に急峻で(p=0.017)、血管コンプライアンス(p=0.011)とValsalva zスコア(p=0.012)も高値であった。螺旋流あり(1+)群と(2+)群では、いずれの項目も有意差は認めなかった。低年齢であっても、螺旋流あり(2+)群の症例では、左室流出路-大動脈角度が急峻で、大動脈壁が硬く、Valsalvaが拡大していることがわかった。将来的なAortopathyの進行は、小児期から続くこれらの大動脈血流形態の変化、血管硬度が関与している可能性がありうる。【結論】ファロー四徴類縁疾患では小児においても大動脈に螺旋流が発生していた。この血流変化が将来的なAortopathyの進行にどう関わるのか、今度さらに検討していきたい。