第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

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一般口演12(I-OR12)
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2024年7月11日(木) 15:30 〜 16:30 第7会場 (4F 404-406)

座長:加藤 温子(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
座長:佐藤 誠一(沖縄中部療育医療センター)

[I-OR12-05] 心室中隔欠損症における肺エコーによる肺うっ血評価

高村 一成, 横山 亮平, 原田 雅子, 兒玉 祥彦 (宮崎大学医学部発達泌尿生殖医学講座小児科学分野)

キーワード:心室中隔欠損症, 肺うっ血, 肺エコー

【背景】心室中隔欠損症(VSD)では、肺血流増加による肺うっ血をきたす。成人循環器領域では、肺うっ血の非侵襲的評価法として肺エコーが使用されることがあるが、肺エコーの小児のシャント性心疾患における有用性は不明である。今回、我々はVSDを有する小児を対象に、肺エコー所見とカテーテル検査等の各種データを比較し、肺エコーの有用性を検討したので報告する。【方法】当院で心臓カテーテル検査を受けた5歳未満のVSD患者20例を前向きに検討した。カテーテル検査の前日に心エコーと肺エコーを評価した。肺エコーについては、各患者の胸壁の4部位(左右の前胸部、側胸部)において、リニアプローブを用いて各肋間のB lineの本数を数えた。各B lineの数を、それぞれの肋間長で割った値をB line密度とし、4部位におけるB line密度の平均値と、その他の血行動態指数との相関を評価した。【結果】18例が孤立性VSD、2例がASDを伴うVSDであった。エコー検査およびカテーテル検査時の年齢(歳)は0.54 (0.35-4.05)(中央値(四分位数)以下同)、Qp/Qsは2.35 (1.36-2.70)、平均肺動脈圧(mmHg)は20.0 (14.8-31.5)、B line密度(本/mm)は0.29(0.12-0.50)であった。B line密度とQp/Qs(p<0.001、R2=0.67)およびB line密度と平均肺動脈圧(p<0.001、R2=0.51)の間に有意な相関を認めた。B line密度とQp/Qsは、脳性ナトリウム利尿ペプチドとQp/Qs(p<0.05、R2=0.32)、X線心胸郭比とQp/Qs(p<0.001、R2=0.61)、左室拡張末期径とQp/Qs(p=0.73)の、いずれよりも強い相関を認めた。【考察】肺エコー検査におけるBline密度の測定は、VSDを有する小児の肺うっ血の非侵襲的評価法として有用と考えられた。今後は、その他のシャント性心疾患や、より高い年齢層における有用性を検討する必要がある。