The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

染色体異常・遺伝子異常

Poster Session(I-P01-1)

Thu. Jul 11, 2024 1:10 PM - 2:10 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:上砂 光裕(日本医科大学 / 日本医科大学多摩永山病院小児科)

[I-P01-1-01] Loeys-Dietz syndrome in which genetic test was useful for diagnosis

内山 弘基, 増井 大輔, 石川 貴充 (浜松医科大学 小児科)

Keywords:Loeys-Dietz症候群, 遺伝子検査, 大動脈基部拡大

【背景】Loeys-Dietz症候群(以下LDS) は、マルファン症候群(以下MFS)類縁疾患であるが、MFSと比較しより早期に大動脈瘤を発症し、また大動脈基部以外の血管病変も多いため、早期に診断、評価し介入する必要がある。今回、臨床症状からは予想しなかった、また当初はMFSと考えられたが、遺伝子検査によりLDSと確定診断することができた2症例を経験したため、その検査の有用性も含め報告する。【症例1】生後6カ月の男児、生後2カ月時に頭位拡大と頭蓋骨λ縫合早期癒合を認め、骨系統疾患が疑われ全エクソーム解析が行われた。TGFBR1変異を認めたため心エコーを行い、初診時に大動脈基部の拡大を認めたためLDSと診断しβ遮断薬の内服を開始した。漏斗胸、側弯症、両側椎骨動脈と内頚動脈の蛇行も認め、外来経過観察中である。【症例2】13歳男児、サッカー部で右膝関節軟骨損傷のため整形外科にて手術を行った。その際に高身長、胸郭変形、扁平足があり、MFSが疑われ小児科へ紹介、心エコーにて大動脈基部の著明な拡大を認めた。家族歴がなく眼科的異常もないことから、確定診断のために遺伝子検査を行い、SMAD3に病的な変異を認めLDSと診断した。診断時にすでにvalsalva洞径は45mmを超えており、また軽度の大動脈弁逆流も認めていたため手術適応と判断し、心臓血管外科にて自己弁温存大動脈基部置換を行った。【考察】LDSはMFSより早期に介入が必要になるため、正確な診断に基づき適切なタイミングで治療や予防を行うことが患者の予後に大きく影響する。臨床所見からのみでは確定診断が困難なことも多いが、遺伝子検査がその一助となりうる。