[I-P01-1-05] 心臓手術を行った13トリソミーの転帰
キーワード:13トリソミー, 心臓手術, 転帰
【緒言】13トリソミー(T13)に対する治療方針は変わりつつある。心臓手術を除く積極的治療により予後が改善するとの報告があるが、死亡する症例の多くは心疾患が原因であるため、心臓手術により予後が改善することが期待される。当院ではT13や18トリソミー(T18)に対して家族の希望があり児の病態・状態に適応があれば心内修復術を含めた心臓手術を行ってきた。【目的】T13における心臓手術後の臨床経過・予後を明らかにする。【対象】2015年から現在まで当院にて出生、もしくは入院した10例のT13を対象とし、後方視的に臨床像を調査した。【結果】10例中6例が看取り、1例が積極的治療を希望されたが肺高血圧による死亡退院、3例に対して心臓手術を行った。1例がファロー四徴症に対するシャント術(生後4か月、4.1kg)、1例が動脈管結紮術(日齢27、2.2kg)、1例が心室中隔欠損症に対する肺動脈絞扼術後の心内修復術(生後5か月、6.1kg)であった。動脈管結紮術を行った1例が術後肺高血圧を合併し肺血管拡張薬を内服、遠隔期に感染症で死亡(4才)。他の2例は生存しており在宅管理を行っている。シャント術後の1例(現在、5才)は腎不全があり心内修復術は適応がないと判断されている。心内修復術を行った1例(現在、8才)は拡張型心筋症様の左室機能低下があり利尿薬、ACE阻害薬、βブロッカーによる心不全治療を行い外来フォローされている。【考察】T13においても心臓手術を行え、症例によっては予後が改善する可能性があり、生存退院できる症例が多いが、周術期死亡や合併症も多く、遠隔期死亡も認められる。さらに国内での症例数が少なく、情報が乏しい。また、T18と比較すると、周術期死亡が多く、入院期間が長期になるとの報告もあり、心臓手術の適応は個々の症例に応じ慎重に評価し、長期的な展望を持って決定する必要がある。