[I-P01-1-08] Analysis of trisomy 18 more than 5 years after cardiac surgery in our hospital.
Keywords:trisomy 18, congenital heart disease, pulmonary artery banding
【背景】18 trisomy(18T)の心疾患への手術介入で短期予後が改善することが示されている。さらに近年、肺動脈絞扼術(PAB)に加え心内修復術(ICR)の報告も散見される。当院では家族の希望に応じ、心臓関連死のリスクを減らすことを目的にPABを含めた心臓手術を行ってきた。【方法】2009年1月から2019年2月に当院で心臓手術を行った18Tを5年以上生存(A群)と5年未満の死亡(D群)に分け、今後の心疾患への心臓手術の在り方を後方視的に検討した。【結果】症例は34例(A群13例、D群21例、男児10例、女児24例、モザイク1例)、在胎週数37週(33-41週)、出生体重1,778g(1,062-2,936g)、全例心室中隔欠損(VSD)を主とした高肺血流性心疾患であった。全例PABを行い、32例(94.1%)が生存退院し、生存期間中央値は37.5ヶ月(日齢9-166ヶ月)、1・5年生存率は79.4・38.2%であった。VSD、心房中隔欠損、動脈管開存以外の心疾患合併は、A群で大動脈縮窄症(CoA)1例(7.7%)、D群7例(33.3%)(CoA3例・肺動脈狭窄3例・肺動静脈瘻1例)であった。小児外科疾患合併はA群2例(15.3%)、D群3例(14.2%)、痙攣合併はA群4例(30.8%)、D群4例(19.0%)、痙攣・閉塞性無呼吸に伴う気管切開・抜管困難はA群4例(30.8%)、D群8例(38.1%)であった。心臓関連死9例(26.5%)は全てD群で、A群の死亡3例の死因は呼吸不全2例、突然死1例であった。二期的ICRを4例で行い、2例生存している(2024年2月時点で12歳、13歳)。A群のICR未施行例は酸素飽和度85~95%が多く、ICR施行例は95%以上であった。【考察】心臓手術後の18Tでは、5年以上の生存例で心臓関連死は無く、5年未満の死亡例と比較し、背景因子に合併心疾患以外で大きな差が無かった。ICR未施行例ではICR施行例と比較し遠隔期に酸素飽和度低下に伴う感染時の呼吸不全が問題となることが予想される。今後、遠隔期のリスク回避のため二期的ICRの適応を検討する必要がある。