[I-P01-2-01] Outcomes of fetal congenital heart block surveillance in anti-SSA positive pregnancies at University of Tsukuba Hospital
Keywords:胎児, 抗SSA抗体, 房室ブロック
【背景】抗SSA抗体陽性妊娠の胎児心ブロック(CHB, congenital heart block)サーベイランスは費用対効果等の課題があり、効率的かつ有用性の高いサーベイランス法の確立が重要課題である。【目的】当院の胎児CHBサーベイランス(胎児心エコー(妊娠16~30週に毎週または隔週)、胎児心磁図(任意)、心電図(出生時と1か月時))が胎児診療に及ぼす負担と2度CHB検出における有用性を明らかにする。【方法】当院の5年間の胎児心臓外来の後方視的検討。1)SSA群(抗SSA抗体陽性妊娠) 、CHD群(胎児心疾患/不整脈)、正常群の妊娠数と胎児心エコー件数を検討した。2)当院SSA群の胎児心エコーの評価項目の実行性(計測頻度)と3)胎児CHBの診断について検討した。【結果】1)5年間に746妊娠に胎児心エコー1,364件が施行された。各群の妊娠数:SSA群55(7%)、CHD群135(18%)、正常群556(75%)、胎児心エコー件数:SSA群275件(20%)、CHD群349件(26%)、正常群740件(54%)、妊娠あたりの胎児心エコー回数(中央値(範囲)):SSA群5(1~13)、心疾患群2(1~13)、正常群1(1~7)であった。同県内の胎児心エコー専門施設では5年間に160妊娠に胎児心エコー404件が施行され、SSA群は妊娠数2(1%)、胎児心エコー3件(1%)とSSA群が占める割合に差を認めた(p<0.01)。2)胎児心エコー評価項目の計測頻度はLVFS 46%、RVFS 43%、AV時間(SVC/aAo 64%、LV in/out 88%)と実効性の低い項目がみられた。3)胎児CHBの診断は1~2度CHB 0例、3度CHBは 1例だが、無症候性母体で胎児CHBを契機に抗SSA抗体陽性と判明した。【考察】周産期施設の特性による施設間の差が示唆されるが、頻回な胎児心エコーとトレーニングを要する評価項目は負担となりうる。当院のサーベイランスで2度CHBの診断はなかった。【結論】当院の胎児CHBサーベイランスの2度CHB検出における有用性は示されなかった。