[I-P01-2-07] Case Report of Congenital Complete Atrioventricular Block with Fetal Atrial Flutter Complication in a Mother Positive for SS-A Antibodies
Keywords:母体SS-A抗体陽性, 先天性完全房室ブロック, 心房粗動
【はじめに】胎児の先天性房室ブロック(以下,CAVB)は,抗SS-A抗体およびSS-B抗体陽性妊婦の約1%程度に発症するとされているが,CAVBに心房細動を伴うことは極めて稀である.今回,SS-A抗体陽性妊婦において,胎児に心房細動を伴うCAVB症例を経験したので報告する.【症例】母体28歳 1経産 自己免疫性疾患の症状はなく生来健康。第一子、異常指摘なし。妊娠20週胎児徐脈を指摘され当院へ紹介となった。胎児エコー所見にて、心房拍数 130回/分程度, 心室拍数 70回/分程度,房室解離がありCAVBの所見を認めた。母体血液検査において、抗核抗体 1280倍、SS-A抗体 >2200 U/ml、SS-B抗体 10.8 U/mlと高値を認め、SS-A抗体に伴う先天性CAVBと診断した。妊娠27週 心房拍数 420~500回/分、心室拍数 65回/分と心房細動の所見を認めた。しかしながら、浮腫や体腔液貯留などの心不全兆候は認めなかったため、経過観察とした。妊娠29週 心室拍数 60回/分前後で経過、胸水の出現があり母体リトドリン投与を開始した。その後、心房頻拍は持続したが心室拍数は80回/分前後まで上昇し胸水は消失した。妊娠33週の定期検査時に心房拍数 130回/分程度, 心室拍数 6070回/分程度と心房細動は自然停止し心不全兆候なく経過していた。妊娠37週0日 予定帝王切開にて3020g 仮死なく出生した。出生後、心電図検査にてCAVBと診断、心房細動は認めなかった。心室拍数 70~90回/分だったが、経過中50~60回/分となっためイソプレナリン点滴常駐を開始し、日齢13に一時的リード植え込み術を施行された。生後1ヶ月にペースメーカー埋め込み(VVIモード)を行い退院。以後は外来通院。経過中に心不全兆候や心房粗動の再発は認めていない。