[I-P01-4-05] カテーテル治療を断念した心房中隔欠損症の形態的特徴に関する検討
キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, 心房中隔欠損症, カテーテル治療
【背景】デバイスの進化に伴いカテーテル治療が可能な心房中隔欠損(ASD)の症例は増加しているが,留置困難例やerosionや脱落などから適応の限界を知ることも重用である.【目的】デバイス留置が困難なASDの形態的特徴を検討する.【方法】2014年1月から2023年12月に当院でデバイス閉鎖目的にカテーテル検査及び経食道エコー検査を行った179例について診療録を元に後方視的に検討した.【結果】デバイス留置困難例は12例(男:6例,女6例).年齢 9-79歳(中央値18歳),単孔性9例,多孔性3例であった.単孔性ASDの最大径は8.5-33.3mm(中央値22mm)、ASD最大径/体表面積は4.3-23.6mm/m2(中央値18mm/m2).ASD最大径/体重0.1-1.12mm/kg(中央値0.51mm/kg),全例でAortic rimは5mm以下で,3症例は複数のrimが乏しく,1例は広範な下縁欠損であった.留置を試みたデバイスはAmplatzer Septal Occluder1例, Figulla Flex2 11例,留置困難の原因は1.大欠損のためデバイスの展開またはrimを捉えることが困難:4例,2.弁への圧迫:5例,3.完全房室ブロック:1例,4.脱落:2例,5.胸郭の形態によるデバイス展開困難:1例であった.緊急手術2例を含め6例で外科手術が行われ,2例は2nd sessionでデバイス留置が成功した.残りの4例のうち1例は外科手術を予定し,3例は2nd sessinonを予定している.【まとめ】デバイス留置困難の原因は多岐にわたるが,欠損孔が大きくかつAortic rimが乏しい症例、複数rimの乏しい症例,広範な下縁欠損で留置が困難であった.体格の小さい小児期で治療が困難であった症例においては体格の成長を待つことで治療が可能となることがあり,治療時期の検討も重要である.胸郭の変形により左房が圧排されている症例では,留置が困難な場合がある.