The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

カテーテル治療

Poster Session(I-P01-4)

Thu. Jul 11, 2024 1:10 PM - 2:10 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:加藤 温子(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)

[I-P01-4-07] Three cases of renal artery stenosis with different course.

今井 祐喜, 安田 和志, 河井 悟, 鬼頭 真知子, 大島 康徳, 田中 優, 野村 羊示, 伊藤 諒一, 太田 隆徳, 今西 梨菜 (あいち小児保健医療総合センター 循環器科)

Keywords:腎動脈狭窄症, 高血圧症, バルーン拡張術

【背景と目的】小児の高血圧症(HT : Hyper tension)は二次性の場合が多く10~20%は腎動脈狭窄症(RAS : Renal Artery Stenosis)とされる. 異なる経過を経たRAS 3例を報告する.【症例1】13歳女児. 頭痛をきっかけにHTを指摘, 右RASと診断された. 血圧(BP : Blood Pressure)120-140/80-100mmHgでアムロピジン, バルサルタンを内服も降圧は得られず, バルーン拡張術(BAP : Balloon Angioplasty)を実施した. 3.6mmの腎動脈(RA : Renal Artery)に限局的な全周性狭窄0.7mmを認め, 遠位は狭窄後拡張をきたしていた. Shiranui EX 4.0mmでwaistは消失し狭窄部は3.2mmまで拡張した. BP100-120/60-80まで改善し降圧薬の漸減中止に至った.【症例2】5歳女児. 月齢3に前医でHT, 右RASを指摘された. BAPは無効で, 月齢5で当院(腎臓科)紹介となった. アムロジピン, バルサルタン, カルベジロールで降圧が得られず, 月齢11にBP管理, 再度のBAPを目的に他院へ紹介された. しかしBAP実施に至らず, ニフェジピン及びプラゾシンが追加された. その後は当院でBP120-130/70-80mmHgを目標に管理された. 5歳時に当院でBAPを実施した. 右RA起始部が完全閉塞し, 近傍の小動脈とRAが交通, 最狭部0.8mmであった. Coyote 1.5mmを使用するも狭窄は解除できず. 実施後のBPに明らかな変化はない.【症例3】3歳女児. 痙攣重責, HT(BP150台)で当院PICUへ入床し左RASと診断された. アムロジピン, バルサルタン, ミニプレス, カルベジロール使用でBP110-130mmHgとなった後catheterを実施した. 左RAは完全閉塞し, 細かな側副血管から血流供給された状態でBAPは不可であった. 以降内服治療を継続している.【考察】RASに対するBAPは奏功すれば降圧薬の減量・中止が期待されるが, 病変の形態によっては効果が限定的である. 解剖学的構造からFAからのアプローチに難渋する場合があり, 自験例でもlong sheathの使用など工夫を要した.