第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

カテーテル治療

ポスター発表(I-P01-4)
カテーテル治療1

2024年7月11日(木) 13:10 〜 14:10 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:加藤 温子(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)

[I-P01-4-09] 体格の小さい心房中隔欠損幼児例(体重8kg)に対するカテーテル治療の経験

井門 未来等1, 檜垣 高史1,2,5, 千阪 俊行1, 柏木 孝介1, 宮田 豊寿1,2, 前澤 身江子1, 渡部 竜介1, 太田 雅明1,5, 高田 秀実1,5, 打田 俊司3,5, 赤澤 祐介4,5 (1.愛媛大学 医学部 小児科, 2.愛媛大学 医学部 地域小児・周産期学, 3.愛媛大学 医学部 心臓血管・呼吸器外科, 4.愛媛大学 医学部 循環器・呼吸器・腎高血圧内科, 5.愛媛大学 医学部附属病院 移行期・成人先天性心疾患センター)

キーワード:心房中隔欠損, カテーテル治療, ダウン症候群

【背景】デバイスの進化に伴いASDのカテーテル治療の適応は拡大されてきているが、体格の小さい乳幼児期のカテーテル治療は、いまだチャレンジングである。【症例】2歳、男児、ダウン症候群、体重は8.1kg、Qp/Qs=1.8、PAp=35/15(24)、Rp=1.8U・m2で、肺高血圧を認めた。欠損孔は、TTEで9mm、TEEで9.8mm、balloon sizingは省略した。rimは全周性に欠損はないが、Ao rimは、3.7mmとやや乏しく、IVC rimはやや薄くて短く、心房中隔長は、21-25mmであった。【カテーテル治療】心房中隔長を参考に、LA discが22mmであるFigulla Flex II ASD Occluderの10.5mmを選択したが、Ao rimの把持が不十分であったため、12mmにサイズアップした。LA discは27mmで、計測上の心房中隔長よりは大き目であったが、留置形態は良好で、Aoへの接触も問題ないものと判断してデタッチした。合併症は認めず術後経過は良好である。【考察】ASDでは、新生児・乳幼児期に症状が出現したり肺高血圧を伴うことはまれであり、一般的には、年齢は3~4歳以降、体重は15kg前後からがカテーテル治療の対象とされる。欠損孔の大きさやrim欠損の状況によっては、成長を待つことで治療が可能となることもあるため、体格の小さい症例に対するカテーテル治療については議論がある。また、より早期に治療を必要とする症例は、体格に対して欠損孔が大きく、カテーテル治療の難易度も高い。一方、ダウン症候群におけるASDでは、肺高血圧を伴うことも多く、比較的早期に治療を余儀なくされる場合がある。同時期の非ダウン症候群の症例に比して、欠損孔は比較的小さい。【結語】肺高血圧を伴うダウン症候群の乳幼児ASDは、カテーテル治療が適応になる症例がある。