[I-P01-5-01] Examination of factors affecting pulmonary artery bifurcation blood flow velocity and heart murmur at 1 month of term delivery
Keywords:一ヶ月時, 肺動脈分岐部, 心雑音
【はじめに】一か月時の成熟児に肺動脈分岐部で心雑音が生じることはよく知られている。これは生理的肺動脈分岐部狭窄による肺血流加速によると報告されている。しかし、肺動脈分岐部血流加速はあるが心雑音を聴取しない例を複数経験した。このため心雑音と肺動脈分岐部血流速度に影響する因子について検討したので報告する。【対象】2023年3月から8月において、一か月健診時に心臓及び腎臓超音波スクリーニング検査を希望し受診された児104例(在胎週数;39週2日(36週2日~41週2日)、出生体重(g);3023(2144~3836)、検査時日齢(日);32(28~41)、検査時体重(g);4198(3234~5250)(中央値, 最小値~最大値)【方法】自然入眠下もしくは空乳首による鎮静下で5MHzの超音波プローベを用いて施行した。2DEにて主肺動脈弁輪径、左肺動脈径、右肺動脈径、パルスドプラー法にて、主肺動脈血流速度、左肺動脈血流速度、右肺動脈血流速度を測定した。【結果】右肺動脈血流速度は右肺動脈径との間に有意な負の相関関係を認めた (r=-0.30,p<0.01) 。左肺動脈血流速度は左肺動脈血流速度と有意な負の相関関係を認めた(r=-0.43, p<0.001) 。主肺動脈右肺動脈面積比と右肺動脈血流速度(r=-0.2, p=0.05)及び主肺動脈左肺動脈面積比と左肺動脈血流速度(r=-0.2, p<0.05)と負の相関関係を認めた。また、左肺動脈血流速度が2m/secを越えている症例中、心雑音を9/29例に認めた。【結論】各肺動脈分岐部血流速度は主肺動脈と左右肺動脈径との比より、左右肺動脈径単独の影響をより強く受けているようにみられた。肺動脈分岐部血流加速は左側において肺動脈径の影響をより強く受けていると考えられた。しかし、左右肺動脈血流の加速が必ず心雑音を発生させているわけではなく、他の要因を考える必要があると思われた。