The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

心血管機能・自律神経機能

Poster Session(I-P01-5)

Thu. Jul 11, 2024 1:10 PM - 2:00 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:豊野 学朋(秋田大学大学院医学系研究科小児科小児科学講座)

[I-P01-5-02] Descending aortic blood flow by echocardiography reflects cardiac output

本間 友佳子, 早渕 康信 (徳島大学大学院 医歯薬学研究部 小児科)

Keywords:下行大動脈血流, 心拍出量, エスクロンミニ

【背景と目的】Stroke volume (SV), cardiac output (CO), cardiac index (CI) などは心機能を示す重要な指標であるが、正確な測定は心臓カテーテル検査が主であり侵襲的となる。一方、心エコー検査による下行大動脈血流は開胸術後早期にICUにおいても腹部から簡単に施行できる有用性がある。我々は日常診療のなかで下行大動脈血流が心拍数・血圧・左室駆出率・血液検査よりも心拍出量の良否を敏感に反映していると考えていた。今回、下行大動脈血流がSV, CO, CIを反映するかを評価するために心臓カテーテル検査・非侵襲的心拍出量測定器エスクロンミニとの比較検討を行い、検証した。【方法】のべ138例(0.08~44.2歳)を対象とした。心エコー検査で上行大動脈と下行大動脈血流の波形を描出し、流速とvelocity time integral (VTI)を測定した。同時にエスクロンミニを用いてSV, CO, CI を計測し、比較検討した。心臓カテーテル検査を施行した症例ではFick法、thermodilutionで求めたSV, CO, CIも用いて検討した。【結果】心臓カテーテル検査で測定したSVとエスクロンミニで測定したSVは有意な正相関を認めた(R2=0.41, p=0.037)。下行大動脈のVTIはエスクロンミニで測定したSV, COと有意な正相関を認めた(R2=0.25, p<0.0001, R2=0.22, p<0.0001)。下行大動脈のVTIから求めたSV, CIは心臓カテーテル検査で測定したSV, CIとそれぞれ有意な正相関を示した(R2=0.77, p=0.0011, R2=0.62, p=0.0072)。下行大動脈のVTIから求めたSV, COはエスクロンミニで測定したSV, COとそれぞれ有意な正相関を示した(R2=0.59, p<0.0001, R2=0.39, p<0.0001)。エスクロンミニで測定したSVと下行大動脈血流速度/上行大動脈血流速度比は有意な正相関を認めた(R2=0.05, p=0.0156)。【結語】心エコー検査で簡便に測定可能である下行大動脈の血流量はSV, CO, CIを鋭敏に反映し、心機能評価における病態診断の一助となると考えられた。