The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

川崎病・冠動脈・血管

Poster Session(I-P01-6)

Thu. Jul 11, 2024 1:10 PM - 2:10 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:岡田 清吾(山口大学大学院医学系研究科 小児科学講座)

[I-P01-6-01] Three cases of Kawasaki disease complicated by congenital coronary artery anomaly with dilatation

井福 俊允1, 山下 尚人2, 入佐 浩史1, 長友 雄作3 (1.宮崎県立宮崎病院 小児科, 2.宮崎県立宮崎病院 新生児科, 3.九州大学病院 小児科)

Keywords:川崎病, 冠動脈病変, 先天奇形

【背景】川崎病(KD)は最も頻度の多い後天性冠動脈疾患だが, 時に先天性冠動脈奇形(CCAA)の合併を経験する。【症例1】KD発症時4歳7ヶ月の女児。主要症状6/6, 初診時(発熱4病日)の心エコーで右冠動脈と左冠動脈主幹部~分岐部の多発中等瘤を認めた。また, 左前下行枝から主肺動脈に流入する冠動脈瘻(CAF)を確認した。発症1年の選択的冠動脈造影で冠動脈瘤はすべて退縮し, CAFの増大傾向もないが左主幹部はz scoreで2.0-3.0SD程度の拡張が残存している。【症例2】発症時9歳11ヶ月の男児。主要症状5/6(非定型発疹を除く), 初診時(発熱3病日)に左主幹部~前下行枝近位が3.3-4.3SDと全体に拡張していた。さらに左前下行枝から主肺動脈に流入するCAFを確認した。発症1-2ヶ月で主幹部~分岐部は3.0SD程度に若干縮小したが, その後大きな変化を認めていない。一方, CAFの拡張と左右シャント量は年々増大傾向となり, 経カテーテル的CAF閉鎖を計画している。【症例3】発症時1ヶ月の男児。主要症状3/6(発熱, 眼球結膜充血, 口唇発赤)に加え初診時に左前下行枝の中等瘤, 主幹部拡張(2.5SD)を認め不全型KDと診断した。発症2-3ヶ月で中等瘤は退縮したが主幹部拡張が残存していた。発症4ヶ月の選択的冠動脈造影において, 当初心エコーで正常起始と判断していた右冠動脈は左主幹部から分岐しており, 左単一冠動脈が明らかとなった。その後も主幹部径は2.0-2.5SD程度で推移している。【考察・結論】3例ともCCAAが事前に診断されていなかった症例で, 冠動脈径の異常が先天的なものか, KDの病勢によるものか急性期に判断するのは困難であった。このような場合, より丹念で精度の高い冠動脈径のフォローアップが必要となる。逆に冠動脈拡張を伴うKDを診断した際には, CAFや起始走行異常を含むCCAAの合併も念頭に置いた形態評価を行うことが重要である。