[I-P01-6-02] Edematous Dissociation of the Tunica Media Plays a Key Role in the Development of Coronary Artery Lesions in Kawasaki Disease
Keywords:血管炎, サイトカイン, 自然免疫
【背景】 近年、川崎病発症に自然免疫の異常が関与しているという報告が散見される。インターロイキン(IL)-33はIL-1ファミリーに属するサイトカインで、様々な細胞の核内で恒常的に発現している。わたしたちは冠動脈中膜平滑筋由来のIL-33が川崎病冠動脈炎増悪に関与している可能性を細胞レベルで報告した(Inflammation 2023)。【方法】川崎病冠動脈炎症増悪における中膜平滑筋由来IL-33の関与をより生体内に近い条件で確認するため、川崎病第7病日前後にみられる中膜平滑筋水腫性疎開性変化のin vitroモデルを作製した。人工的に壊死させたヒト冠動脈平滑筋細胞をヒト冠動脈内皮細胞と共培養し、24時間後の内皮細胞上清中の炎症性サイトカイン濃度を測定した。【結果】平滑筋壊死細胞は平滑筋生細胞に比し、内皮細胞からのIL-6産生を有意に増加させた。また、平滑筋細胞を川崎病リーディングサイトカインで前処置すると、上記傾向がより助長された。抗IL-33抗体は上記実験系における内皮細胞からの炎症性サイトカイン産生を抑制した。【考察】今回の結果は、冠動脈中膜平滑筋由来のIL-33が川崎病冠動脈炎を増悪させるという自身の仮説を支持するものであった。川崎病冠動脈炎においてIL-33は新たな治療標的となり得る可能性が示唆された。