[I-P01-6-07] 川崎病とFilmArray法を用いた感染症の関連についての検討
キーワード: 川崎病, FilmArray法, 小林スコア
川崎病とFilmArray法を用いた感染症の関連についての検討Study of the association between Kawasaki disease and infection using the FilmArray method.【背景】2020年SARS-CoV-2のパンデミックにより川崎病(KD)罹患者数も同様に減少し、感染症とKDの関連が近年議論されている。【目的】FilmArray法を用いて感染症とKDの関連を調べた。【方法】2020年11月から2023年2月に当院に入院した KD患者を対象としてFilmArray法を用いて後方視的に検討した。【結果】KD患者50例中、転院となった3例とFilmArray未施行7例を除いた40例を対象とした。年齢は5か月~8歳3か月(中央値:2歳7か月)、男児は22例(55%)、不全型は11例(27.5%)であった。FilmArray法の結果は、ウイルス検出例が23例(57.5%)で、検出されたウイルスではライノ/エンテロウイルスが19例(47.5%)と最も多かった。ウイルスが検出された6例(15%)において複数のウイルスが検出された。KD診断病日は、ウイルス検出群が5.9日、非検出群5.3日であった。退院病日は、ウイルス検出群が17.3日、非検出群14.8日、小林スコア陽性率は、ウイルス検出群が17%(23例中4例)、非検出群24%(17例中4例)であった。いずれの結果もP>0.05であり有意差を認めなかった。IVIG単回投与で解熱しなかった症例は、ウイルス検出群が56%(23例中13例)、非検出群24%(17例中4例)とウイルス検出群と多い傾向を認めた。冠動脈瘤症例はライノ/エンテロウイルス陽性1例含めた3例(7.5%)でいずれも退縮した。【結語】KD罹患時に検出されたウイルスはライノ/エンテロウイルス感染が多い傾向であったが、多種多様であった。診断時にウイルス陽性症例では、KDの追加治療が必要となる傾向を認めたが、症例数が少なく更なる検討が必要である。