[I-P02-2-03] Fetal diagnosis and neonatal transportation of critical congenital heart disease diagnosed in Eastern Shizuoka
Keywords:新生児搬送, 遠隔診断, SpO2スクリーニング
【背景】当院は静岡県東部地域の総合周産期母子医療センターで、小児心臓手術は行っていない。胎児診断例は計画的な母体搬送が行われるが、未診断例は当院搬送後に遠隔診断を用いて地域外の専門施設と連携し、新生児搬送を行っている。【目的】当地域における胎児期未診の重症CHD症例について検討し、診療課題を明らかにすること。【方法】対象は2013年1月から2022年12月に当院NICUに入院した胎児期未診断の重症CHD症例のうち、生後早期に専門施設へ搬送を行った48例。診療録を用い後方視的に検討した。【結果】在胎週数と出生体重の中央値は39週0日、2866g。診断の内訳はTGA12例、TAPVC8例、IAA5例、CoA3例等であった。日齢0に診断されたのは26例(54%)、ductal shock5例(TAC 1例、IAA3例、HLHS1例)の診断日齢中央値は日齢3で、全て院外出生であった。遠隔診断は27例(56%)で行われ、遠隔診断を行わなかった症例のうち2例(4%)で診断が異なった。また遠隔診断を行うも診断が異なった症例は、Galen静脈瘤とPAVSDの2例であった。全例で安全な搬送が可能であり、16例(33%)が気管挿管下、27例(56%)がPGE1製剤使用下で搬送されたが、搬送前後での死亡は認めなかった。搬送後にBASを施行された症例は4例であった。【結語】胎児期未診断の重症CHDを安全に搬送する上で、遠隔診断を用い専門施設と連携し搬送計画を立てることは有用である。生後ルーチンのSpO2スクリーニングはductal shockを回避できる可能性があり、一次産院への普及が望まれる。また、出生後の緊急搬送を減らすため、引き続き胎児心臓スクリーニングの啓蒙を行うことが重要である。