[I-P02-4-01] Gore Cardioform Septal Occluderを用いたmultiple ASDデバイス閉鎖に対する治療戦略
キーワード:多孔性心房中核欠損症, Gore Cardioform Septal Occluder, デバイス閉鎖
【はじめに】Gore Cardioform Septal Occluder(GCA)は孔間距離のある多孔性心房中隔欠損(mASD)においても1つのデバイスで閉鎖できる可能性がある。当院での経験症例を2例提示し、GCA使用における治療戦略を考察する。【症例1】76歳男性。経食道心臓超音波検査(TEE)では主孔は13.6mmと計測されAo rimは3.1mmであったが、その他のrimは十分に認めた。副孔は主孔の上方に位置し5.3mmと計測、rimは全周性に十分に認めた。孔間距離は8.3mmで心房中隔長は0度で45.2mm、90度が最大で50.7mmであった。主孔のサイジングバルーン(SB)での計測では、15.0mmと計測された。バルーン辺縁から副孔の遠位端までの距離は11.4mmであった。 GCAであれば副孔まで閉鎖できる可能性があると判断し主孔にGCA44mmを留置した。留置後のTEEでは副孔から2mm程度の遺残短絡が残存していたが、術後の経過観察で遺残短絡は自然消失した。【症例2】14歳男児。TEEで主孔は前上方に位置し13.7mm、Ao rimが広範に欠損していた。副孔は主孔の下方に位置し10.2mm、CS rimが2.9mmであった。孔間距離は14.3mmで心房中隔長は0度で41.9mm、135度が最大で59.0mmであった。各欠損孔のSBでの計測では主孔:17.7mm、副孔:12.1mmと計測された。孔間距離はあるものの、大きいサイズのGCAを留置することで2つの欠損孔を同時に閉鎖できる可能性を考慮し、主孔にGCA48mmを留置した。しかし、副孔からの短絡は残存し、SBでの再計測では11.1mmであったことから副孔にAmplatzer Septal Occluderの12mmを留置した。遺残短絡なくGCA、ASOの順に離脱を行った。【まとめ】GCAはself-centering ではないため心房中隔長を考慮してデバイス選択をすることでmASDを1つのデバイスで閉鎖できる可能性がある。GCAでは留置後形態の予想が容易ではないため、まず大きめのGCAを留置して追加デバイスの必要性を判断するとよい。