[I-P02-4-03] 主要大動脈肺動脈側副血行路をPiccoloで閉鎖しRastelli手術に到達した1例
キーワード:MAPCA, Piccolo, 血管塞栓
【背景】主要大動脈肺動脈側副血行路(MAPCA)に対して、コイル塞栓やvacular plugを用いて閉鎖するが、今回、MAPCAに対して分枝をできるだけ温存するためPiccoloを用いた症例を経験したので報告する。【症例】2歳9か月、女児。診断はPA、VSD、MAPCA(下大動脈から1本)。生後4か月で右mBTシャント術を施行した。MAPCAは右下肺、左下肺はdual supplyであったが、MAPCAをクランプするとdesaturationを認め、閉鎖できなかった。肺動脈の成長を待って、2歳1か月の心カテ時にMAPCAの閉鎖を試みたが閉鎖できず、2歳6か月で左mBTシャント(4mmにclipping施行)を追加した。2歳9か月時のカテではMAPCAからの分枝をできるだけ温存するため、固定性があり短いdeviceとしてAmplatzer Piccolo Occuluder 5mm×2mmを選択して閉鎖した。留置、展開は容易で速やかに閉塞されたことを確認した。同時に軽度のdesaturationを認めたが、lt mBTshuntのdeclipppingを施行することで改善が得られ終了とした。MAPCAは完全閉塞し、右下肺への分枝も同時に閉鎖となったが左下肺へはシャントからの造影で十分に描出された。その後3歳5か月でRastelli手術に到達した。【結論】Piccoloを用いてMAPCAからの肺動脈の分枝をできるだけ温存して、MAPCAを閉鎖することが可能であった。Piccoloは、MAPCAの様に形態が様々で閉鎖部位を限定したい際にも有用であると考えられ、Piccoloの適応拡大が望まれる。