第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

カテーテル治療

ポスター発表(I-P02-4)
カテーテル治療2

2024年7月11日(木) 14:20 〜 15:20 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:杉山 央(大阪市立総合医療センター 小児循環器不整脈内科)

[I-P02-4-04] 当院におけるGORE Cardioform ASD OcculuderとOcclutech Figulla Fllex IIの使い分け

村山 友梨, 藤本 一途, 加藤 温子, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)

キーワード:心房中隔欠損, GCA, OFF II

【背景】GORE Cardioform ASD Occuluder(GCA)はよりerrosionリスクが低く、2022年の導入以降、前上縁欠損ASDに対するデバイス閉鎖の選択肢が広がった。当院ではAortic rimが5mm以下の前上縁欠損ASDに対し、GCAもしくはOcclutech Figulla Fllex II(OFF II)を用いデバイス閉鎖を施行している。GCA、OFF IIの使い分け、その限界について検討した。【対象と方法】2022年3月1日~2023年12月31日までにASDデバイス閉鎖を施行した症例のうち、GCAを用いた34例(G群)、OFF IIを用いた21例(O群)の2群について後方視的に検討を行った。【結果】2群間で患者特性(年齢、身長、体重)に有意差は認めなかった。透視時間でも有意差は見られなかった。最大中隔長は有意差を認めなかった(G群:35.3±5.6mm, O群:35.4±5.2mm, p=0.96)が、欠損孔最大径はO群で有意に大きく(G群:12.8±3.5mm, O群:18.5±5.6mm, p=0.0002)、またバルーンサイジング径(BSD)もO群で有意に大きかった(G群:15.8±3.8mm, O群: 20.8±5.2mm, p=0.0005)。辺縁距離はValsalva rim、Superior rimでは有意差は認めなかったが、Posterior rimはO群で有意に短かった(G群:13.1±4.5mm, O群:10.5±4.0mm, p=0.031)。O群21例中8例(欠損孔:17.5±5.5mm, BSD:19.4±5.4mm, Posterior rim:10.7±4.8mm)は当初GCA留置を検討していたが最終的にOFF II留置となった症例であり、うち2例はGCAが脱落しカテーテル的に回収した。両群で外科的回収を必要とした例はなかった。治療後、G群、O群それぞれ3例ずつ一過性不整脈を生じたが、自然軽快した。【考察】GCAは前上縁欠損例のデバイス閉鎖に貢献しているが、小児においてPosterior rimが少ない症例や大欠損例では留置困難例が存在し、特に欠損孔最大径18mm以上、Posterior rimが11mm以下の症例ではGCA留置が適切か十分に検討を行う必要がある。