[I-P02-6-05] 当院で川崎病と小児多系統炎症性症候群(MIS-C)の診断に難渋した4症例の検討
キーワード:川崎病, MIS-C, リンパ球数
【背景・目的】川崎病とMIS-Cは臨床症状が似ており鑑別に難渋する場合が多い。加えて COVID-19 流行下において、感染既往がある場合が多くより鑑別困難さに拍車をかけている。川崎病とMIS-Cの予後には大きな違いが報告され、この 2 つの疾患を適切に鑑別することは治療方針や治療後の経過観察の方針に大きく寄与すると考えられる。【方法】2022 年 1 月から2023 年 12 月に当院で鑑別に悩んだ 4 例について病歴・ 症状・検査所見について検討した。また対象群として2012年1月から2021年12月までの川崎病と診断された患者の検査所見と比較した。【結果】患者年齢:5 歳から13 歳、COVID-19罹患:1から4週間前に罹患。川崎病症状:3から6/6項目陽性。血液検査で4例中3例に白血球のリンパ球数低下(1000/μL 未満)がみられた。対象群の平均リンパ球数(3677/μL)と比較して有意に低値であった。冠動脈の変化は4例中3例に見られた。その他白血球数、川崎病症状、腹部症状については有意差は認めなかった。【考察・結論】リンパ球数減少はMIS-Cの診断基準の1 つに記載されている。鑑別に悩んだ4例中1例は川崎病と考えられた。残りの3例はリンパ球数減少がみられており、2 疾患の鑑別にあたり、リンパ球数は大きな役割を果たしている可能性が示唆された。