The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

一般心臓病学

Poster Session(I-P03-1)

Thu. Jul 11, 2024 3:30 PM - 4:30 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:中山 智孝(高知赤十字病院 小児科)

[I-P03-1-01] Four cases of hypertensive encephalopathy

田中 優, 今西 梨菜, 太田 隆徳, 伊藤 諒一, 野村 羊示, 大島 康徳, 鬼頭 真知子, 今井 祐喜, 河井 悟, 安田 和志 (あいち小児保健医療総合センター 循環器科・新生児科)

Keywords:高血圧, 脳症, 動脈狭窄

【緒言】高血圧性脳症は高血圧に伴う稀な合併症であるが、その基礎疾患は多岐に渡る。【症例】[症例1]7歳女児、頭痛、嘔気、下顎腫脹を主訴に入院、右上肢血圧178/100mmHg、左上肢血圧118/78mmHgと差を認め高安動脈炎が疑われ、造影CTで下行大動脈に壁肥厚を伴う高度狭窄を認めた。Ca拮抗薬の投与を行うも血圧のコントロールは不良であり、経過中に痙攣発作を認めた。止痙の後緊急でステントを留置して狭窄部前後の血圧差は69mmHgから18mmHgに改善し、その後トシリズマブの投与を行い病勢はコントロールされた。[症例2]13歳女児、発症1か月前頃から頭痛の頻度が増していた。自宅で意識状態悪化あり救急要請、搬送病院で止痙後血圧200/80mmHg、頭部MRI T2強調画像で白質や両側基底核で散在性高信号域あり、造影CTで腹部大動脈に狭窄病変を認め大動脈炎症候群の診断、後に上行大動脈置換術、上行大動脈-腹部大動脈へのextraanatomical bypassを施行した。[症例3]3歳女児、痙攣重積のため前医に搬送、止痙後血圧152/117mmHg、頭部MRI T2強調画像で左後頭葉や両側基底核で高信号域あり、全身検索の結果左腎動脈狭窄が判明した。造影上左腎動脈は本幹が途絶、側副血行路が発達しており経皮的腎動脈形成術は断念、内科的に降圧を図った。[症例4]7歳女児、Williams症候群、大動脈弁上狭窄・大動脈弓低形成に対して大動脈弁上狭窄解除、上行大動脈形成術が施行された。術後大動脈縮窄の遺残があり上肢収縮期血圧は120-150mmHgと高血圧を認めていた。ICU退室後に頭痛の訴えありその後痙攣、止痙を得た後降圧を強化して対応した。【結語】高血圧性脳症を発症するような場合には高度な高血圧があり、確実な降圧に加えて基礎疾患への迅速な対応が求められる。