The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

複雑心奇形

Poster Session(I-P03-2)

Thu. Jul 11, 2024 3:30 PM - 4:30 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:宮地 鑑(北里大学医学部心臓血管外科)

[I-P03-2-10] Two cases of Fontan candidate due to multiple muscular VSD with different clinical course

河内 貞貴, 星野 健司, 真船 亮, 百木 恒大, 増田 詩央, 大森 紹玄, 築野 一馬, 橘高 恵美 (埼玉県立小児医療センター 循環器科)

Keywords:multiple muscular VSD, D.K.S手術, Fontan手術

【背景】筋性部の多孔性心室中隔欠損は、閉鎖術が不可能と判断されFontan candidateとなる症例もある。その際の問題点の一つが、DKS吻合を置くかどうかである。今回我々は、異なる経過を辿ったmultiple muscular VSDの2例を経験したので報告する。【症例1】胎児期より三尖弁逆流を指摘されており、前医にて40週3日、2879gで出生した。呼吸状態が悪くNICUに入院となり、心雑音からmultiple muscular VSD , ASD , PHと診断され当院へ紹介となった。カテーテル検査でQp/Qs:3.44、Pp/Ps:0.92、Rp:5.32であったが、VSD閉鎖不可能と判断しPA bandingを施行した。体重増加をはかりVSD閉鎖を目指したが、左室内側乳頭筋近傍にVSDを認めたため閉鎖は困難と判断され8歳でDKS + Glenn手術を施行した。術直後右肺動脈への血流が途絶しており、術後4日目に緊急手術。原因は血腫による圧迫であったが、血腫を除去し同時にEC-TCPC施行した。【症例2】在胎39週0日、2880gで出生。2ヶ月時にRSウイルス感染を契機にVSD(2)8mm、multiple muscular VSDと診断され当院へ紹介となった。PA bandingを行い、体重増加を待つ方針となった。待機中に、心臓外科との協議の上muscular VSDの閉鎖は困難と判断され、7歳でGlenn手術を施行した。この際に、大きなVSD(2)があるためDKSは行わなかった。術後、カテーテル検査でRVp/LVp:1.2と右室圧高く、VSD拡大術をTCPC施行時に行った。【考察】DKS手術は、流出路の懸念が取り除かれる反面、遠隔期のARが問題になることもある。可能であればDKS吻合なしにFontanを成立させたいと考えるが、症例2のように術後から右室圧の上昇を認めてしまうリスクもある。どのような症例でDKSを回避できるのか、あるいはDKSは回避できないのか検討していく必要がある。