The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

心血管機能・自律神経機能

Poster Session(I-P03-3)

Thu. Jul 11, 2024 3:30 PM - 4:20 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学周産期小児支援講座)

[I-P03-3-01] The trend of the electrocardiogram measurements of school children after COVID-19 pandemic

兒玉 祥彦1, 高村 一成1, 原田 雅子1, 中井 陸運2 (1.宮崎大学 医学部 発達泌尿生殖医学講座 小児科学分野, 2.宮崎大学 医学部附属病院 臨床研究支援センター)

Keywords:学校心臓検診, COVID-19, 自律神経機能

【背景】COVID-19パンデミックは、学齢期小児において、身体的・社会的活動の低下をもたらし、その結果として肥満率の上昇や、運動能力の低下などの健康状態の悪化が報告されている。自律神経機能への影響も懸念されるが、この点に関する報告は少ない。本研究では、12誘導心電図において自律神経機能を反映することが知られる心拍数、PR間隔、QT間隔を用いて、COVID-19パンデミックの、自律神経機能への影響を検討した。【方法】宮崎市・綾町・国富町で2017年から2023年に実施された学校心臓検診(小学校1年生、中学校1年生、高校1年生)の心電図データ90,979件について、自動計測された心拍数、PR間隔、QT間隔、左室電位波高(SV1+RV5もしくはSV1+RV6のいずれか高い値)を集計し、年齢性別ごとに年次推移を検討した。また2020年に始まったCOVID-19流行前後で各計測値の平均値に差があるかを検討した。【結果】年次推移の検討では、7歳男女において、2020年単年の心拍数の上昇と左室電位波高の低下がみられ、いずれも翌年には回復傾向であった。2020年前後の比較では、全ての年齢性別群で、2020年以降の心拍数の増加と、PR間隔、QT間隔および左室電位波高の減少が認められ、その多くは統計学的に有意であった。またその変化は13歳男女においてより顕著であった。【考察】COVID-19パンデミック期間中に、学齢期小児の12誘導心電図のいくつかの測定値に有意な変化がみられた。心拍数、PR間隔およびQT間隔の変化は、自律神経の交感神経へのシフトを反映し、左室電位波高の減少は左室壁厚もしくは左室電気活動の低下を反映すると考えられた。この期間に成長期を過ごした小児の自律神経機能については、今後も注意が必要である。