[I-P03-4-02] Impact embolization of aberrant artery using an IMPEDE®
Keywords:IMPEDE, 血管塞栓術, カテーテル治療
【背景】異常血管塞栓術にはコイルやプラグ等を用いるが、血管の形状や太さによっては有効な塞栓に至るまで複数個のデバイスが必要となることもある。IMPED® (COSMOTEC)はポリウレタン製形状記憶ポリマーの筒状塞栓子にアンカーコイルが逢着されたデバイスで、37度の環境下において、ポリウレタン製ポリマーが自己拡張し、約10分で最大径まで拡張し血管を塞栓できる。今回、IMPED® により有効な血管塞栓を行えた症例を経験した。【症例1】生後3か月、体重4.6kgの女児。総動脈管症、大動脈弓離断症(B型)、両側肺動脈絞扼術後。有意な短絡をもつ気管支動脈肺動脈瘻があり心内修復術前に塞栓術を実施した。血管径2.9mm、S字状に蛇行した血管であった。大腿動脈から4Frシースを挿入しマルチパーパスカテーテルで異常血管にアプローチした。最初、Fibered IDC®(Boston Scientific)4×15mmを2個留置したものの有意短絡遺残のため、IMPEDE®-FX5mmを追加したところ完全塞栓できた。塞栓術4日後に心内修復術を実施した。【症例2】生後6か月、体重7.0kgの女児。右肺分画症と診断。造影CT検査で腰椎L1レベルより横隔膜を貫通して右下分画肺へ流入する異常血管を同定した。安全に外科手術を行うため分画肺切除術前に異常血管塞栓術を施行した。大腿動脈から4Frシースを挿入し、JRカテーテルで異常血管(直径3.9mm、長さ33mm)アプローチし、IMPEDE®塞栓プラグ5mmにより塞栓した。1つのデバイスで完全閉塞できた。塞栓後発熱を認めたが全身状態は安定し、塞栓術1週間後に分画肺切除術を実施した。ごく少量の出血で手術を終了することができた。【考察】IMPEDE®は乳児においても安全に使用でき、かつ高い塞栓力がみられた。比較的長いランディングゾーンが必要ではあるが、異常血管の形状によっては塞栓術のための効果的なデバイスである。