第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

カテーテル治療

ポスター発表(I-P03-4)
カテーテル治療3

2024年7月11日(木) 15:30 〜 16:20 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:栄徳 隆裕(川崎医科大学 小児科学)

[I-P03-4-04] 当院における経皮的心房中隔欠損症閉鎖術後頭痛の頻度とリスク因子

池田 健太郎, 稲田 雅弘, 新井 修平, 浅見 雄司, 中島 公子, 下山 伸哉 (群馬県立小児医療センター循環器科)

キーワード:経皮的心房中隔欠損閉鎖術, 頭痛, 片頭痛

【背景】経皮的心房中隔欠損症閉鎖術後の15~20%に頭痛を認めるとされているが、その原因については依然として不明な点が多い。【目的】当院における経皮的心房中隔欠損症閉鎖術後の頭痛の頻度、リスク因子を明らかにすること【対象・方法】2014年5月~2024年2月までに当院で経皮的心房中隔欠損症閉鎖術後を施行した80症例に対し、頭痛の有無、性別、年齢、体重、閉鎖栓の種類/サイズ、Qp/Qs、LVEDPについて後方視的に検討を行った。【結果】術後に頭痛の訴えを認めたのは37/80例(46%)であった。術後の経過では1か月後34例、3か月後11例、6ヶ月後8例、12ヶ月後7例であり3ヶ月後までには症状が改善している症例が多かった。症状が強くクロピトッグレル、トリプタン製剤等を必要としたのは5例(6.3%)であった。頭痛症状を認めた症例では性別、年齢、体重、サイズ、Qp/QS、LVEDPとも明らかな有意差は認めなかったが、Qp/QSは少ないほど (P=0.072)、EDPは低いほど(P=0.106)頭痛を認めやすい傾向にあった。デバイスはGCAは3例中3例で頭痛の訴えがあり他のデバイスより頭痛を認めやすい傾向にあった。1年後に頭痛を認めた症例で検討を行うと、女性のリスクが高く(P=0.037)、デバイスサイズは大きい傾向にあった(P=0.107)。1年後も頭痛を認めた2例に対し頭部MRIを施行したところ、1例で微小脳梗塞を認めた。【結語】経皮的心房中隔欠損症術後の頭痛は3~6ヶ月後には改善することが多い。1年後に頭痛を認めるリスクは女性の方が高い。長期にわたって持続する場合、脳梗塞の可能性についても評価する必要がある。