[I-P03-4-05] 経皮的大動脈弁形成術中の左室圧モニタリングの重要性
キーワード:大動脈弁狭窄症, brockenbrough, 大動脈弁閉鎖不全
【背景】経皮的大動脈弁形成術(BAV)は逆行性左室アプローチをすることが多く、術中左室圧モニターをするためには卵円孔あるいはBrockenbrough(BB)法による経中隔的左室アプローチをする必要がある。その有用性を検討した。【方法】BAV実施例(Critical ASは除く)のうち、左室圧モニターを行いながら手技を完遂した症例と左室圧モニターを行わなかった症例の2群間において、大動脈弁輪径(mm)、最大バルーン径/大動脈弁輪径比(%)、術前後の左室大動脈圧較差(mmHg)、術前後の大動脈弁逆流の悪化、BAV手技時間(分)、再介入の有無に関して比較した。【結果】対象15例中、7例(47%)でBB法あるいは経卵円孔的に左室圧モニターを実施した。年齢9.2 (2.9-13.1) 歳、大動脈弁輪径15(12-20)mm、最大バルーン径/大動脈弁輪径比0.91(0.87-1.02)であり、大動脈左室圧較差は53(45-59mmHg)から24(22-32)mmHgと低下した。BAV手技時間91(75-104)分であった。左室圧モニターを実施した群では最大バルーン径/大動脈弁輪径比が有意に高かったものの[101(94-104)% vs 87(79-107)% ,P=0.05]、大動脈弁輪径(P=0.52)、術前および術後大動脈左室圧較差(ともにP=1.0)、BAV手技時間(P=0.79)に有意差はなかった。また術後大動脈弁逆流の程度は軽度4例vs.4例、中等度3例vs.3例と変わらないが、再介入は0例 vs. 3例と左室圧モニター群の方が少なかった。【結語】小児BAVにおいてBB法を併用した術中左室圧モニタリングを行うことで不要な拡張などを回避することができるのではないかと考えた。