[I-P03-4-06] 深鎮静下の小児カテーテルアブレーションにおける術後嘔気・嘔吐の検討
キーワード:カテーテルアブレーション, PONV, 深鎮静
【はじめに】小児におけるカテーテルアブレーション(CA)では体動による手技への影響や本人の不安を考慮し、鎮静を行う必要がある。術後悪心・嘔吐(postoperative nausea and vomiting: PONV)は術後に発生する有害事象の中で40%の患児に発生するとの報告があり、患児には非常に苦痛な体験で、また術後の安静が保てず回復の妨げとなる。
【目的】小児における深鎮静下のCA施行後に発症したPONVについて明らかにすること。
【方法】2010年1月1日から2023年12月31日の間に当院小児科に入院したCA施行例73症例の診療録を後方視的に検討した。術後24時間以内のPONVの有無によって、PONV群と非PONV群に分け、比較検討を行った。
【結果】3例が覚醒下での治療であり、70症例を対象とした。術中、ミダゾラム、デクスメデトミジン、チオペンタールを用いて鎮静、ペンタゾシンを用いて鎮痛が行われた。平均年齢は11.2歳±3.4歳、47.1%が女性で、平均BSAは1.31kg/m2。10症例(14%)にPONVを認めた。不整脈の内訳と発生頻度(PONV+/全数)は、房室回帰性頻拍(7/35)、房室結節リエントリー性頻拍(0/17)、心房頻拍 (1/6)、心房粗動(0/6)、心室頻拍(2/8)、心室性期外収縮(0/1)であった。PONV群と非PONV群を比較では、左心系に対してのCA群(右心系vs左心系30% vs 70%; p=0.028)において統計学的な有意差を認めた。性別、年齢、不整脈の種類、手技時間、鎮静時間、鎮静・鎮痛薬の種類、ステロイドの使用、3Dマッピングシステムの使用において有意差を認めなかった。PONV群のうち6例は術後6時間以内に嘔気・嘔吐を発症した。1例制吐剤を併用した以外は、補液のみで経過観察し、24時間以内に改善した。1例で穿刺部からの出血を術後認めたが、その他重篤な合併症は認めなかった。
【結語】深鎮静下でのCAでは一般的な周術期のPONVと比較して発生率は低かった。PONV は多くの症例で特別な介入を必要とすることなく24時間以内に改善する。
【目的】小児における深鎮静下のCA施行後に発症したPONVについて明らかにすること。
【方法】2010年1月1日から2023年12月31日の間に当院小児科に入院したCA施行例73症例の診療録を後方視的に検討した。術後24時間以内のPONVの有無によって、PONV群と非PONV群に分け、比較検討を行った。
【結果】3例が覚醒下での治療であり、70症例を対象とした。術中、ミダゾラム、デクスメデトミジン、チオペンタールを用いて鎮静、ペンタゾシンを用いて鎮痛が行われた。平均年齢は11.2歳±3.4歳、47.1%が女性で、平均BSAは1.31kg/m2。10症例(14%)にPONVを認めた。不整脈の内訳と発生頻度(PONV+/全数)は、房室回帰性頻拍(7/35)、房室結節リエントリー性頻拍(0/17)、心房頻拍 (1/6)、心房粗動(0/6)、心室頻拍(2/8)、心室性期外収縮(0/1)であった。PONV群と非PONV群を比較では、左心系に対してのCA群(右心系vs左心系30% vs 70%; p=0.028)において統計学的な有意差を認めた。性別、年齢、不整脈の種類、手技時間、鎮静時間、鎮静・鎮痛薬の種類、ステロイドの使用、3Dマッピングシステムの使用において有意差を認めなかった。PONV群のうち6例は術後6時間以内に嘔気・嘔吐を発症した。1例制吐剤を併用した以外は、補液のみで経過観察し、24時間以内に改善した。1例で穿刺部からの出血を術後認めたが、その他重篤な合併症は認めなかった。
【結語】深鎮静下でのCAでは一般的な周術期のPONVと比較して発生率は低かった。PONV は多くの症例で特別な介入を必要とすることなく24時間以内に改善する。