The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

成人先天性心疾患(外科)

Poster Session(I-P03-5)

Thu. Jul 11, 2024 3:30 PM - 4:20 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:松葉 智之(鹿児島市立病院 心臓外科)

[I-P03-5-04] Valve-sparing aortic root replacement in adult patient with tetralogy of Fallot

高砂 聡志1, 椎名 由美1, 木島 康文1, 阿部 恒平2, 丹羽 公一郎1 (1.聖路加国際病院 循環器内科, 2.聖路加国際病院 心臓血管外科)

Keywords:ファロー四徴症, 大動脈基部置換術, 成人先天性心疾患

【背景】自己弁温存大動脈基部置換術(valve-sparing aortic root replacement:VSRR)は、従来のBentall手術と比較して血栓塞栓症、感染などの人工弁関連合併症を伴わず、より生理的な血行動態が期待できることから適応が拡大している。しかし、先天性心疾患に伴う大動脈基部拡大に対するVSRR施行例の報告は限られている。当院で経験した、ファロー四徴症術後の大動脈基部拡大に対しVSRRを施行した3症例について報告する。【症例1】54歳男性。5歳時にファロー四徴症に対して心内修復術を施行。左肺動脈閉塞あり。心内修復術後49年経過。術前valsalva洞径60mm、中等度大動脈閉鎖不全あり。30mm Valsalva graftを用いてDavid手術(Reimplantation-VSRR)施行。人工心肺時間198分、大動脈遮断時間165分。術後8日目に退院。術後48ヶ月経過しており大動脈閉鎖不全の再増悪なし。【症例2】51歳女性。1歳時にファロー四徴症に対して心内修復術を施行し50年経過。valsalva洞径52mm、軽度大動脈閉鎖不全あり。重度肺動脈閉鎖不全症、重度三尖部閉鎖不全症を合併しており同時手術を計画した。30mm Valsalva graftを用いてDavid手術施行、同時に肺動脈弁置換術、三尖弁弁輪縫縮術を施行。人工心肺時間341分、大動脈遮断時間274分。術後10日目に退院。術後10カ月経過、大動脈閉鎖不全の再増悪なし。【症例3】44歳男性。3歳時にファロー四徴症に対して心内修復術を施行。33歳時に重度三尖弁閉鎖不全に対して三尖部形成術を施行。心内修復術後41年経過。術前valsalva洞径55mm、大動脈閉鎖不全はわずか。30mm Valsalva graftを用いてDavid手術施行。人工心肺時間185分、大動脈遮断時間148分。術後10日目に退院し外来フォロー中。【考察】3例とも術中、術後に合併症を認めず、経過順調である。CHD患者に対するVSRRは既報でも短期的には良好な成績が報告されているが、中長期的な成績については今後の症例蓄積が必要である。