[I-P03-5-06] The impact of intervention for atrial septal defect in elderly population; focused on right ventricular function
Keywords:ASD, 成人, アプローチ
【背景】幼少期に介入されず成人期に至ったASDは右心容量負荷と高肺血流に長期に晒される.老年期ASD閉鎖後の右心系の変化を検討した報告はない.【目的】当院におけるASDに対するカテーテル治療と外科治療による右心機能の変化を比較検討する.【対象と方法】当院で2012年から2021年にASDを閉鎖した60歳以上の症例(弁膜症や他の心疾患の合併例は除外)をデバイス閉鎖群(I群:24例) と手術閉鎖群(S群:14例)に分けた.術直前と術後1年のUCGを比較.データはI群,S群の順に表示.連続変数はmean±SDで,弁逆流は0から4で半定量的に表現.【結果】 ASDの最大径,Qp/QsはS群で大きく(14.1±6.2vs25.9±9.5mm(p<0.001),1.94±0.60vs2.92±0.93(p<0.001)),Rpは両群間で差はなし(2.50±1.30vs1.66±1.77W.u*m2(p=0.076)).術前後右室容量は術後評価が少なく比較できず.術前TRPG,mean PAP,PCWPはS群で高かった(29.1±9.8vs43.7±14.2(p<0.001), 18.01±4.72vs22.75±6.97(p<0.001), 7.90±2.31vs10.41±5.45(p=0.039))が,術後1年後のTRPGは両群間で差はなし(24.9±8.7vs27.6±19.8(p=0.286)).術後1年のTR・PRの改善の程度はともにS群で大きく(-0.042±0.62vs-1.36±0.93(p<0.001), -0.042±0.86vs-0.57±0.65(p=0.027)), 術後TRはS群で少なかった(2.29±0.81vs1.43±0.76(p=0,001)).術後1年のPRは両群間で差はなし.【考察】S群でASDが大きく,右室の容量・圧負荷が強かったが,術後1年でI群(軽症)と遜色ない右室圧負荷・右心系弁機能にまで改善.デバイス適応境界域やAf/三尖弁治療追加が必要な症例には外科治療は有用で,我々は手術侵襲軽減のためACHDのASD閉鎖術にはMICSを積極的に導入している.【結論】60歳以上の外科治療群では術前左右短絡,右室圧容量負荷が大きい重症が多かったが,術後1年後には軽症カテーテル治療群と同程度の右心機能となった.