[I-PD1-1] カテーテルアブレーション時におけるFontan導管穿刺, Senning/Mustard術後のbaffele穿刺のTips
Keywords:Catheter ablation, Fontan operation, conduit puncture
複雑型先天性心疾患の術後患者は長期経過観察中に不整脈の発生率が高く, カテーテルアブレーション(catheter ablation: CA)は治療法の一つとして有用である. しかし, Fontanや心房スイッチ術後患者では, CA時のアプローチに制限があり, 静脈から心房へ到達するには経導管ないし経バッフル穿刺が必要である. 当院では2006年以降Brocken-brough法を施行したCAは255件で, そのうちSenning術後2件, Mustard術後2件, Fontan術後4件だった. 穿刺した組織は自己心膜・自己組織が4件, ePTFEが4件であり, 全例が穿刺に成功していた. 自己心膜・自己組織への穿刺ではダイレーターのみでシースを挿入可能, ePTFEへの穿刺では2件が段階的バルーン拡張を用いてシースを挿入, 1件がダイレーターのみで挿入, 1件はシースを隔壁に押し付けた状態でCAを行っていた. 最近の症例ではePTFEへは段階的バルーン拡張を用いており, カテーテルインターベンション医と協力してシースを挿入している. バルーン拡張後もダイレーターを先行させシースの外筒を挿入しようとすると外筒が心房に入らず難渋することが多いが, 下記の方法により外筒挿入までスムーズに完了している. (1)心臓CTを撮像し解剖学的構造を確認. 穿刺部位とBRK針の方向を計画. (2)BRK針が引っかかる部位の穿破先が心房であることを十分に確認し, BRK針で穿破. (導管とBRK針との角度が合わない時にはスネアを準備) (3)BRK針から造影し心房を確認後, 0.014inchワイヤを残し, coyote 4mm, SHDEN HP 5mmと段階的に拡大. (4)導管の穿刺部位でSHIDENを10atmで拡大した状態でシースを近づけ, バルーンの圧を下げながらシースの外筒を心房側に押し込む. (4)の操作により, シースの外筒を心房側に挿入することが容易となった. ePTEF導管穿刺は困難で手技時間も長時間になるが, カテーテルインターベンション医とのコラボレーションを洗練させることで, 安全に短時間で行うことが可能となる.