第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション4(I-PD4)
TPVIの現状と展望

2024年7月11日(木) 13:10 〜 14:40 第3会場 (4F 409+410)

座長:富田 英(昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
座長:矢崎 諭(榊原記念病院 小児循環器科・成人先天性心疾患センター)
コメンテーター:坂本 和歌子(医薬品医療機器総合機構 医療機器審査第一部)

[I-PD4-5] Harmony 経カテーテル肺動脈弁留置術 短期成績 日本と米国の知見から

小暮 智仁1,2, 朝貝 省史2, 島田 衣里子2, 工藤 恵道2, 西村 智美2, 原田 元2, 石戸 美妃子2, 竹内 大二2, 豊原 啓子2, 稲井 慶2, 新川 武史3 (1.東京女子医科大学 循環器内科, 2.東京女子医科大学 循環器小児科・成人先天性心疾患科, 3.東京女子医科大学 心臓血管外科)

キーワード:Harmony TPVI , ファロー四徴症 , 肺動脈弁閉鎖不全症 

Harmony経カテーテル肺動脈弁留置術(Transcatheter Pulmonary Valve Implantation: TPVI)はファロー四徴症をはじめとした右室流出路修復術後の肺動脈弁閉鎖不全症に対して日本では2023年3月に治療が開始された。日本の治療初年度に国内21施設で合計161例の治療が行われた。現時点(2024年3月)まで治療関連死やステント弁の脱落、再開胸手術例はなく、全例に治療が成功しており、いくつか注意すべき合併症はあるものの、安全な導入が行えたと考えられる。当院でも40例に治療を行なっており、3ヶ月のフォローアップに至った例では、拡大した右室の縮小と自覚症状の改善が確認されている。また弁機能は良好で肺動脈弁逆流は全例で減少、多くの例で消失しており、一方で再治療を必要とする右室流出路狭窄が出現した例はなかった。本セッションでは、現在までに報告されている米国からの短期成績と日本の導入初期成績を合わせて報告を行う。