The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Committee Panel Discussion

Committee Panel Discussion 3

Fri. Jul 12, 2024 9:40 AM - 11:10 AM ROOM 4 (4F 411+412)

座長:岩本 眞理(まり こどもクリニック港南台)
座長:三谷 義英(三重大学大学院医学系研究科小児科学)

[II-CPD3-1] 行政が進める医療DXの現状と方向性

遠藤 明史 (厚生労働省医政局参事官付医療情報室)

Keywords:医療DX, 全国医療情報プラットフォーム, 電子カルテ

近年のテクノロジーの進歩により、医療分野でもデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進展している。国もこの動きを推進すべく2022年に医療DX推進本部を設置し、2023年6月に今後の工程表を策定した。 工程表の中では、現在のレセプト情報の共有を中心としたオンライン資格確認等システムを拡充し、「全国医療情報プラットフォーム」を構築することが構想されている。具体的には、電子カルテ情報も共有するためHL7FHIRや標準コード(検査、処方、病名等)の普及、さらに医療機関間や自治体との情報共有のためのクラウド間連携の構築が図られていく方針である。2030年までには診療所を含め概ね全ての医療機関でこのような機能を持った電子カルテの導入が目指されている。またデジタル化により利活用しやすくなった医療データを研究者、産業界が二次利活用しやすい環境整備もされていく方針である。 推進本部では医療DXの定義を、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウドなど)を活用して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えること、と定義している。 社会や生活の形をより良く変えるためには、向かうべき形の具体的な構想が必要で、それには臨床現場の力や産業界の創意工夫が必要と思われる。また医療者だけでなく、患者さんの主体的な参画も重要な要素となるであろう。イノベーションが、本質的には行政主導では不可能なことを鑑みると、今後の医療DXの成功の鍵は、臨床現場や産業界、あるいは患者さんの主体的な参画が重要と思われる。