[II-CPD4-5] 小児心臓カテーテルにおける鎮静の問題点
キーワード:鎮静, 麻酔科医, 有害事象
【背景】欧米と比較して本邦では小児心臓カテーテルに携わる麻酔科医が不足しており主に小児科医による鎮静が行われている。
【目的】心臓カテーテル時の麻酔科医立ち合いの有無と有害事象との関連を考察する。
【方法】当院で過去3年間に行った心臓カテーテルを後方視的に検討する。
【結果】531人の患者に対し行った761件の心臓カテーテル(診断426件、インターベンション332件、心臓生検3件)を対象とした。男児360件、月齢20(0-907)か月、体重9.0(1.6-106.5)kg、手技時間1.3(0.2-5.6)時間、人工呼吸器管理136件(17.9%)、麻酔科医立ち合いあり115件(15.1%)、うち経食道心臓超音波検査目的のものを除いたものは31件(4.1%)でステント留置術や肺静脈閉鎖に対するインターベンションの症例が主であった。重症度の高い有害事象38件、うち鎮静関連14件であった。全体の有害事象をBergersenらがまとめた9,362件の報告、鎮静関連有害事象をLinらがまとめた13,611件の報告(共に米国からの報告)と比較した。全体の有害事象は有意差がなかった[当院vs.既報: 5.0%vs.4.8%: P=0.861]が、鎮静関連有害事象率は当院で有意に高かった[当院vs.既報: 1.8%vs.0.7%: P=0.002]。鎮静関連の有害事象で当院では死亡に至ったり後遺症を来したものはなかった。麻酔科医立ち合いの有無と有害事象との関連について当院の症例で検討を行ったところ全体の有害事象と鎮静関連有害事象ともに麻酔科医の有無と関連がなかった。先天性心疾患のカテーテルリスクを評価するCHARMモデルの評価項目を用いて5段階のリスク分類を行ったがどの分類においても麻酔科医立ち合いの有無と有害事象に関連はなかった。
【考察】当院のカテーテルでは米国と比較して鎮静関連有害事象が多かった。麻酔科医の有無と有害事象との関連は見られなかった。病態や手技に応じて専門性の高い鎮静管理が求められる先天性心疾患のカテーテルにおいては小児科医、麻酔科医が協力して鎮静管理を行うことで有害事象の減少につながる可能性がある。
【目的】心臓カテーテル時の麻酔科医立ち合いの有無と有害事象との関連を考察する。
【方法】当院で過去3年間に行った心臓カテーテルを後方視的に検討する。
【結果】531人の患者に対し行った761件の心臓カテーテル(診断426件、インターベンション332件、心臓生検3件)を対象とした。男児360件、月齢20(0-907)か月、体重9.0(1.6-106.5)kg、手技時間1.3(0.2-5.6)時間、人工呼吸器管理136件(17.9%)、麻酔科医立ち合いあり115件(15.1%)、うち経食道心臓超音波検査目的のものを除いたものは31件(4.1%)でステント留置術や肺静脈閉鎖に対するインターベンションの症例が主であった。重症度の高い有害事象38件、うち鎮静関連14件であった。全体の有害事象をBergersenらがまとめた9,362件の報告、鎮静関連有害事象をLinらがまとめた13,611件の報告(共に米国からの報告)と比較した。全体の有害事象は有意差がなかった[当院vs.既報: 5.0%vs.4.8%: P=0.861]が、鎮静関連有害事象率は当院で有意に高かった[当院vs.既報: 1.8%vs.0.7%: P=0.002]。鎮静関連の有害事象で当院では死亡に至ったり後遺症を来したものはなかった。麻酔科医立ち合いの有無と有害事象との関連について当院の症例で検討を行ったところ全体の有害事象と鎮静関連有害事象ともに麻酔科医の有無と関連がなかった。先天性心疾患のカテーテルリスクを評価するCHARMモデルの評価項目を用いて5段階のリスク分類を行ったがどの分類においても麻酔科医立ち合いの有無と有害事象に関連はなかった。
【考察】当院のカテーテルでは米国と比較して鎮静関連有害事象が多かった。麻酔科医の有無と有害事象との関連は見られなかった。病態や手技に応じて専門性の高い鎮静管理が求められる先天性心疾患のカテーテルにおいては小児科医、麻酔科医が協力して鎮静管理を行うことで有害事象の減少につながる可能性がある。