[II-OR14-03] Prognosis and risk factors in pediatric patients on the heart transplantation waiting list at out hospital
Keywords:心臓移植, 生存率, リスク因子
【背景】2010年7月に改正臓器移植法が施行され、家族からの同意があれば15歳未満の小児からの脳死下臓器提供も可能となった。当院は小児心臓移植実施施設の1つだが、まだ国内での小児脳死心臓移植の数は少なく、予後やリスク因子に関するデータも乏しい。【目的】当院における小児心臓移植登録患者の予後とリスク因子を明らかにする。【方法】2004年から2023年に当院にて心臓移植登録を施行、もしくは他院で移植登録し当院に登録施設変更を行った、18歳未満の99名の患者を対象とした。移植登録後の生存率、移植到達率、移植登録後の予後に関するリスク因子を後方視的に検討した。また、移植後の患者の予後についても検討を行った。【結果】対象は男児62例、女児37例で、登録時年齢の中央値は9.2歳(四分位範囲1.7-15.5歳)であった。疾患は、DCM 49例、RCM 14例、先天性心疾患術後9例、HCM 6例、LVNC 6例、その他15例であった。全症例の移植登録後の5年生存率は76%、10年生存率は74%であった。移植到達は国内、渡航合わせて40例、移植未施行は59例であり、移植登録後5年、10年の移植到達率はそれぞれ48%、58%であった。移植未施行59例のうち17例が移植前に死亡しており、移植回避生存率は5年、10年でそれぞれ30%、20%であった。移植登録時の年齢や疾患の種類により、移植登録後の生存率において有意差は認めなかった。移植に到達した40例中4例(国内1例、渡航3例)が移植後に死亡しており、移植後の10年生存率は79%であった。【結論】移植後の生存率は良好であり、厳密な移植後管理が功を奏していると考えられる。今後様々なリスク因子を追加で解析予定だが、移植回避生存率が低いことを鑑みると、移植登録時のリスク因子を明らかにすることは、限りあるドナー資源の適切な再分配に有用な情報となり得る。