[II-OR15-01] CHD術後患者における心外膜脂肪組織に寄与する因子の検討
キーワード:心外膜脂肪組織, 先天性心疾患, 心臓MRI
【背景】心外膜脂肪組織(Epicardial adipose tissue: EAT)は心臓周囲の異所性内臓脂肪であり、成人では冠動脈疾患や心房細動の発症に関連があるとされているが、先天性心疾患(CHD)術後患者のEATに関する検討はほとんどなされていない。
【目的】CHD術後患者のEATを調査し、肥満度・血液検査・心機能・不整脈との関連を検討すること。
【方法】2020-2023年に当院で心臓MRI検査・血液検査を施行した10-41歳(中央値: 17歳)のCHD術後患者40名を対象にした。心臓MRI検査の結果から、4-chamber view(4ch)における右側房室間溝のEAT径(cm)、4chのEAT面積(cm2)、Short-axis viewの全スライスからEAT体積(cm3)を手動でトレースし、肥満度・血液検査・心機能・不整脈との関連を評価した。
【結果】EAT径と面積・体積は正の相関を認めた(面積 (r=0.74, p<0.01), 体積 (r=0.64, p<0.01))。肥満度とEAT量は正の相関を認めた(EAT径 (r=0.70, p<0.01), 面積(r=0.68, p<0.01), 体積 (r=0.63, p<0.01))が、肥満のない症例の中にもEAT量が多い症例がいた。EAT量はT-CHOL・TGを含む血液検査および心臓MRI検査で計測されたLVEFに相関していなかった。冠動脈疾患や心房細動を発症した症例はいなかった。
【考察】EAT体積はEAT径と正の相関があり、EAT量はEAT径で推定可能である。肥満度が高いほどEAT量は多い傾向にあるが、年齢が若い集団ではEAT量と血液検査・心機能・不整脈とは相関しないため、EAT径の測定を行い将来的な冠動脈疾患や心房細動のリスクを推定することが重要である。
【結論】CHD術後患者のEAT量は肥満度と関連する。肥満傾向が強い患者は冠動脈疾患や心房細動の発症に注意して長期経過観察が必要である。
【目的】CHD術後患者のEATを調査し、肥満度・血液検査・心機能・不整脈との関連を検討すること。
【方法】2020-2023年に当院で心臓MRI検査・血液検査を施行した10-41歳(中央値: 17歳)のCHD術後患者40名を対象にした。心臓MRI検査の結果から、4-chamber view(4ch)における右側房室間溝のEAT径(cm)、4chのEAT面積(cm2)、Short-axis viewの全スライスからEAT体積(cm3)を手動でトレースし、肥満度・血液検査・心機能・不整脈との関連を評価した。
【結果】EAT径と面積・体積は正の相関を認めた(面積 (r=0.74, p<0.01), 体積 (r=0.64, p<0.01))。肥満度とEAT量は正の相関を認めた(EAT径 (r=0.70, p<0.01), 面積(r=0.68, p<0.01), 体積 (r=0.63, p<0.01))が、肥満のない症例の中にもEAT量が多い症例がいた。EAT量はT-CHOL・TGを含む血液検査および心臓MRI検査で計測されたLVEFに相関していなかった。冠動脈疾患や心房細動を発症した症例はいなかった。
【考察】EAT体積はEAT径と正の相関があり、EAT量はEAT径で推定可能である。肥満度が高いほどEAT量は多い傾向にあるが、年齢が若い集団ではEAT量と血液検査・心機能・不整脈とは相関しないため、EAT径の測定を行い将来的な冠動脈疾患や心房細動のリスクを推定することが重要である。
【結論】CHD術後患者のEAT量は肥満度と関連する。肥満傾向が強い患者は冠動脈疾患や心房細動の発症に注意して長期経過観察が必要である。