[II-OR15-04] 二心室形態の修正大血管転位症例における臨床経過に関する検討
キーワード:修正大血管転位症, 術後遠隔期, 合併症
【背景】修正大血管転位(ccTGA)は全先天性心疾患の0.05%と非常に稀な疾患で、合併心奇形により病態や治療方針は多岐に渡る。Fontan型修復を除く、体心室右室のまま修復を行うConventional Rastelli術(C群)、体心室左室として修復したDouble Switch手術(D群)、未治療群(N群)に大別し感染症、不整脈、弁機能、心機能について検討した。
【対象と方法】2004年1月以降に当院で経過観察しているccTGA86例のうち、二心室形態のccTGA71例について後方視的に検討した。
【結果】C群26例、D群13例、N群32例であった。診断時期は胎児8例、生後33例、乳幼児期16例、学校検診8例、18歳以降5例、不明1例であった。合併奇形はVSD50例(小短絡を含む)、ASD19例、PS28例、PA14例、Ebstein様TV4例を認めた。(1)感染性心内膜炎や縦隔炎など感染症は10例(14%)で発症し各群間で発症率に差はなかった。(2)完全房室ブロックは18例(25%)に認め、C群7例(27%)、D群6例(46%)、N群6例(19%)であった。またC群遠隔期2例にICD植込みがされていた。(3)三尖弁閉鎖不全(TR)の増悪による弁置換術は14例(20%)で、C群5例(19%)、D群0例、N群9例(28%)であった。(4)体心室右室のRVFACは平均35.0%(中央値35.5%)、体心室左室のLVEFは平均50.1%(中央値49.0%)、NT-proBNPは平均323.9pg/mL(中央値118.5pg/mL)であった。各群でRVFACに差を認めなかったがD群でLVEFは低下していた。(5)死亡症例は術後早期の感染・心不全を契機とした3例であった。
【考察】ccTGAの術式、合併は多岐にわたり、それぞれの術式、血行動態における特徴的な合併症、経過を予測し、内科的治療、外科的治療の介入時期を考慮しながら経過観察していく必要がある。
【対象と方法】2004年1月以降に当院で経過観察しているccTGA86例のうち、二心室形態のccTGA71例について後方視的に検討した。
【結果】C群26例、D群13例、N群32例であった。診断時期は胎児8例、生後33例、乳幼児期16例、学校検診8例、18歳以降5例、不明1例であった。合併奇形はVSD50例(小短絡を含む)、ASD19例、PS28例、PA14例、Ebstein様TV4例を認めた。(1)感染性心内膜炎や縦隔炎など感染症は10例(14%)で発症し各群間で発症率に差はなかった。(2)完全房室ブロックは18例(25%)に認め、C群7例(27%)、D群6例(46%)、N群6例(19%)であった。またC群遠隔期2例にICD植込みがされていた。(3)三尖弁閉鎖不全(TR)の増悪による弁置換術は14例(20%)で、C群5例(19%)、D群0例、N群9例(28%)であった。(4)体心室右室のRVFACは平均35.0%(中央値35.5%)、体心室左室のLVEFは平均50.1%(中央値49.0%)、NT-proBNPは平均323.9pg/mL(中央値118.5pg/mL)であった。各群でRVFACに差を認めなかったがD群でLVEFは低下していた。(5)死亡症例は術後早期の感染・心不全を契機とした3例であった。
【考察】ccTGAの術式、合併は多岐にわたり、それぞれの術式、血行動態における特徴的な合併症、経過を予測し、内科的治療、外科的治療の介入時期を考慮しながら経過観察していく必要がある。