[II-OR18-05] Pulmonary artery hypertension in pulmonary atresia with ventricular septal defect and major aortopulmonary collateral artery after RV-PA conduit surgery
Keywords:MAPCA, 肺高血圧, PAVSD
【背景】主要体肺側副血行路(MAPCA)は術前に大動脈から受ける圧・容量負荷,末梢性の肺動脈狭窄や肺血管床の発育の問題から,術後においても肺高血圧を呈することがある。しかし、その頻度や治療効果等の臨床像については未だ不明な点が多い.【目的】当院における肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損(PAVSD),MAPCA症例の術後の肺高血圧についてその臨床像を明らかにする.【対象と方法】2003年4月から2024年1月までの期間に当院に受診記録のあるPAVSD ,MAPCAの心内修復術後症例40例について,診断,染色体異常,心臓カテーテル検査結果や治療内容と効果について,後方視的検討を行った.【結果】12例が22q11.2欠失症候群であった.予後は生存19例,心不全死亡2例,転医や自己中断による不明17例であった.NYHAクラス分類はclass1が13例,class2が14例,class3が6例であった.31例で心臓カテーテル検査が施行され,平均肺動脈圧20 mmHg以上の血管を有するか,肺血管抵抗3.0 WoodU・m2以上の症例が22例(58%)であった.14例(37%)において肺血管拡張薬が導入され,内訳は1剤7例(ERA4例,PDE5阻害剤2例, PGI2誘導体1例),2剤2例(PDE5阻害剤+ERA2例),3剤5例であった.導入前後での比較ができた10症例中5例で肺動脈圧もしくは肺血管抵抗に10%以上の改善を認め,変化なしが4例,悪化が1例であった. 【考察】PAVSD+MAPCAの術後では半数以上の症例で肺高血圧が認められた.約3分の1の症例で肺血管拡張剤が導入されており,比較できた中では半数で効果が認められた. 【結語】PAVSD+MAPCA症例においては術後も肺高血圧が生じている症例が多く存在し,これらの症例に対する肺血管拡張剤の有効性については今後症例を重ねて検討していく必要がある.