[II-OR20-05] 非造影磁気共鳴血管撮影を用いた小児冠動脈評価
キーワード:冠動脈, MRI, 非造影MRA
【背景】
非造影磁気共鳴血管撮影(NC-MRA) は、非侵襲的に冠動脈評価が可能であるが、空間分解能が低いという欠点がある。
【目的】
NC-MRAを用いて乳幼児の冠動脈評価が可能か検討した。
【方法】
使用機器はPhilips社製1.5 tesla MRI 装置(Ingenia)。対象は 2019年11月~2023年11 月に当院で非造影冠動脈MRAを施行した患者43名、67検査(0-22歳、平均10.3±6.6歳)。評価血管は右冠動脈(RCA)近位(seg 1)、中間(seg 2)、遠位(seg 3)、左冠動脈主幹部(LMT)(seg 5)、左冠動脈前下行枝(LAD)近位(seg 6-7)、遠位(seg 8)、左冠動脈回旋枝(LCX)近位(seg11)、遠位(seg13)とし、小児循環器科専門医1 名、磁気共鳴専門技術者1名が4ポイントスケール(4:明瞭、3:やや不明瞭、2:不明瞭、1:評価不能)に基づき画質を視覚的に評価した。年齢に応じてA群:4歳以下(n=16)、B群:5-12歳(n=25)、C群:13歳以上(n=26)に分類し画質を比較した。また、重回帰分析により冠動脈の画質に影響する因子(年齢、Body mass index、心拍数[HR]、撮像心位相[IHP]、心臓静止時間[CRT]、鎮静の有無[SED])を検討した。
【結果】
A群、B群のLAD遠位、LCX近位、遠位の画像スコアはC群に比べ有意に低下したが(いずれもp<0.01)、その他の画質スコアに有意差は認めなかった。単回帰分析ではLAD近位で年齢(p<0.01)、CRT(p<0.05)、SED(p<0.05)、LAD遠位で年齢(p<0.01)、IHP(p<0.05)、CRT(p<0.05)、SED(p<0.01)、LCX近位で年齢、HR、IHP(いずれもp<0.01) 、CRT(p<0.05)、LCX遠位で、年齢、HR、IHP、CRT、SED(いずれもp<0.01) が有意な因子であったが、重回帰分析では年齢のみが有意な因子として検出された(p<0.01)。
【結語】
NC-MRAを用いた小児冠動脈評価はRCA、LMTで良好であった。一方、LAD、LCXでは年齢が影響因子となっており、低年齢では遠位部で画質が低下することが示唆された。
非造影磁気共鳴血管撮影(NC-MRA) は、非侵襲的に冠動脈評価が可能であるが、空間分解能が低いという欠点がある。
【目的】
NC-MRAを用いて乳幼児の冠動脈評価が可能か検討した。
【方法】
使用機器はPhilips社製1.5 tesla MRI 装置(Ingenia)。対象は 2019年11月~2023年11 月に当院で非造影冠動脈MRAを施行した患者43名、67検査(0-22歳、平均10.3±6.6歳)。評価血管は右冠動脈(RCA)近位(seg 1)、中間(seg 2)、遠位(seg 3)、左冠動脈主幹部(LMT)(seg 5)、左冠動脈前下行枝(LAD)近位(seg 6-7)、遠位(seg 8)、左冠動脈回旋枝(LCX)近位(seg11)、遠位(seg13)とし、小児循環器科専門医1 名、磁気共鳴専門技術者1名が4ポイントスケール(4:明瞭、3:やや不明瞭、2:不明瞭、1:評価不能)に基づき画質を視覚的に評価した。年齢に応じてA群:4歳以下(n=16)、B群:5-12歳(n=25)、C群:13歳以上(n=26)に分類し画質を比較した。また、重回帰分析により冠動脈の画質に影響する因子(年齢、Body mass index、心拍数[HR]、撮像心位相[IHP]、心臓静止時間[CRT]、鎮静の有無[SED])を検討した。
【結果】
A群、B群のLAD遠位、LCX近位、遠位の画像スコアはC群に比べ有意に低下したが(いずれもp<0.01)、その他の画質スコアに有意差は認めなかった。単回帰分析ではLAD近位で年齢(p<0.01)、CRT(p<0.05)、SED(p<0.05)、LAD遠位で年齢(p<0.01)、IHP(p<0.05)、CRT(p<0.05)、SED(p<0.01)、LCX近位で年齢、HR、IHP(いずれもp<0.01) 、CRT(p<0.05)、LCX遠位で、年齢、HR、IHP、CRT、SED(いずれもp<0.01) が有意な因子であったが、重回帰分析では年齢のみが有意な因子として検出された(p<0.01)。
【結語】
NC-MRAを用いた小児冠動脈評価はRCA、LMTで良好であった。一方、LAD、LCXでは年齢が影響因子となっており、低年齢では遠位部で画質が低下することが示唆された。